行政書士試験の心得 試験当日に気をつけたいことあれこれ

どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人 / いちサンプル)です。

 

随分とブログの更新が空いてしまいました。長い残暑と狂おしいほどの台風を経て、ようやく秋らしさが感じられるようになってきましたが、全国各地で本当に色々な被害が発生しています。謹んでお見舞い申し上げます。

 

さて、当ブログでは平成30年度(2018年)行政書士試験の合格体験記を書いています。行政書士試験(平成30年11月11日実施、平成31年1月30日発表)には、約半年間の独学で一発合格しました。

 

www.135labo.com

 

令和元年の行政書士試験が直前に迫っていますね! なんと次の日曜日(11月10日)ではないですか! まだ書き残していたことがあるので、受験生のみなさんへエールを送る意味でも久々の更新です。

 

今回のテーマは、行政書士試験における当日の心得です。

  

 

当日、試験会場に何を持参すればいいのか?

私が試験会場に持って行ったものは下記の通りです。

  • 基本テキスト
  • 自作の暗記カード(合計13枚:憲法3枚・行政法8枚・民法2枚)

 

私はあの重ーい基本テキストを(分解などせずに)そのまま持参しました。

大は小を兼ねると考え、一番安心だと思ったからです。めちゃ重かったですけどね!

 

実際は基本テキストを会場で眺めるゆとりはありませんでしたが、保険として持って行って良かったと思います。試験直前に・・・、

なんだか記憶が心配になってきた。基本テキストをサラッと確認したいけど、家に置いてきてしまった! どうしよう!(動揺・不安)

というようなシチュエーションは絶対に避けたかったので。

 

自作の暗記カードは簡易なものです。

 

試験会場に向かう電車の中では、もっぱら行政法の暗記カードを眺めていました。その中にあった「訴訟類型」が記述式で出題されたのですが、完答出来ませんでした! 思い出すと今でも残念ですねー。

 

試験開始直前の見直しよりも大切なこと

事前に試験会場の下見をするというのは、私はやったことないです。ただ、ネットで周辺地図の下調べはしておいた方がいいでしょうね。そして、時間の余裕を普段よりも多めにとって、早めに会場に着くようにします。わざわざ書くのもはばかられるくらい当たり前のことですが、なにしろ栄養補給とトイレの時間を確保することが大切です!

 

試験は午後1時から午後4時までの長丁場。しかも午後0時20分までに着席している必要がある。

 

受験生のみなさんは模試をやった経験からご存じでしょうけど、これはかなり疲れます!

 

試験中に空腹が気にならないように、脳のエネルギーが枯渇しないように、試験前に会場付近で栄養補給をすることをオススメします。最後まで闘い抜くためには手軽で軽めのランチが必要かと思います。

脳はなんと摂取カロリーの20~30%を消費するらしいです!

 

試験会場が大学であればベンチが方々にあると思うので、そこでなんかしら腹ごしらえをしておきましょう。

試験前には、あんぱんとかおにぎりとか、片手で食べれるような手軽なものですかねー

ガッツリ疲れるので、試験後の疲労対策としてチョコレートなどのおやつを併せて用意するのをオススメ

 

カフェインは覚醒のために必要かもしれませんが、利尿効果が高いのでほどほどに。

 

試験会場でのトイレは激混みですが、試験前に絶対行っておいたほうがいいです。試験直前にテキストやノートを見直すためではなく、栄養補給とトイレのためにこそ時間の余裕が必要だと思いますね。

 

試験問題を解く順番の一例

私が試験問題を解いた順番をご参考までに書いておきます。

  1. 憲法と行政法
  2. 多肢選択式
  3. 一般知識
  4. 商法
  5. 民法
  6. 記述式
  7. 一般知識(気を取り直して二回目)
  8. 全体の見直し(保留にしていた問題をやっつける)
  9. 記述式(最後の5分で1題、滑り込み解答)
 

 

さらに詳しく書くと以下のような流れでした。

  • まず、「憲法」と「行政法」を一気に片づける。
  • すぐにぐったり疲れてきたので、得意な「多肢選択式」へ。
  • 多肢選択式である程度の点数を稼いだ気がしたので、ちょっと落ち着く。
  • まだ疲れているので「一般知識」へ。
  • 「一般知識」にかなり絶望する。
  • 2問の正解が必須と考えていた文章理解が、初見では難解に感じる。
  • 解けるものだけなんとか解いて気持ちを落ち着かせる。
  • 対策不十分の「商法」へ。
  • 残しておいた苦手の「民法」に取りかかる。
  • ここまでである程度の手応えがあったので、わりと落ち着いて「記述式」へ。
  • 曲者の「一般知識」に戻る。
  • 保留にしていた問題など、全体の見直し。
  • 最後の5分で手つかずだった「記述式」に取り組む。部分点狙いで何か書こうと。

 

試験中の注意点

一般的な内容になりますが試験中の注意点を挙げてみます。

  • 見直し不要で自信がある問題は番号を大きく丸で囲む
  • 解答保留の問題は、番号を大きく四角で囲む(大きな印を付けておく)
  • 消去法で迷った問題は、選択の過程と最終的な解答をしっかり残しておく
  • 必ず問題冊子に自分の解答を記入しておくこと

 

見直す必要がないくらい自信がある問題、あやふやな問題、分からない問題を試験中にしっかりと識別していくことはとても大切です。試験時間は長いですが、見直しの時間はどんどん足りなくなっていきますので。

 

余裕があれば、確信をもって答えた問題も見直したほうがいいと思います。

 

消去法で迷った問題は結局どの選択肢を解答用紙に書き込んだのか、答え合わせの時に忘れてしまうと精神的に辛いので、意識して記録しておきましょう。

 

問題冊子は試験終了後に持ち帰ることができます。試験当日の夜8時頃から各予備校が解答速報を出してくれるので、 問題冊子に自分の解答をすべて書き込んでおけば自分で答え合わせをすることができます。

 

最後にひとこと

試験は3時間という長丁場で、かなり気が散る環境でもあります。普段通りであればカンタンな問題であっても、緊張や疲れ、焦りなどのメンタル面によって難しく感じてしまうこともあります。月並みな言い方になってしまいますが、実力を発揮できるよう平常心を保って落ち着いて取り組むことが大切ですよね。

 

私の場合は、(ほとんど無対策の一般知識もあることだし)所詮は運次第だ! ダメだったら来年リベンジするからいいや! と、開き直りました。とはいえ、試験開始直後は結構緊張しましたし、病み上がりだったこともあり疲労感が強く集中を維持するのにかなり苦労しました。。。それでもマークシート方式である以上、可能性はゼロじゃないと考え、なんとかやり抜くことができました。

 

勉強時間0時間ならともかく、準備不足であってもとにかく試験会場に行って席に座る、なんでもいいから解答用紙を埋めることがやはり大切だと思います。最後まであきらめないことが、合格の大前提です! 

 

みなさんがこれまで培ってきた力をいかんなくフルに発揮できますように、陰ながらお祈りしています! 令和元年の合格証書を是非ゲットしてください!

 

今回はここまでです。ひとつの私見として、いちサンプルとしてみなさんの参考になれば幸いです!

 

それでは、どうもありがとうございました! 今後ともよろしくお願いいたします!

『英雄の書』人工知能研究者による脳との正しい付き合い方【読書レビュー】

どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人 / いちサンプル)です。

 

当ブログではライフハック全般を意識した読書をひとつのテーマにしています。

 

今回の読書レビューでは、黒川伊保子著『英雄の書』を取り上げます。 

 

オンライン書店のオススメに出てきて読んでみた本なので、私は著者のことを全く知らなかったんですが、テレビ出演もある人工知能研究者だそうですね。

 

タイトルがえらい大仰なのですが、なかなか漲る言葉がたくさん出てくる本でした。読後に作った自分専用読書メモ(約3300字)の中から一部を紹介していきたいと思います。

 

私が読んだのは上記の本ですが、文庫の新版が出ています。

 

 

『英雄の書』の概要 

本書の概要をザっとまとめてみます。

  • 著者は人工知能研究者
  • いわゆるビジネス書・自己啓発書の類い
  • 脳科学に基づいた知識と、著者の主観的な見解が書かれている
  • 本書の良い点は、みなぎる言葉がたくさん出てくること
  • 自分の脳みそとの気持ちよい付き合い方を教えてくれる指南書
  • タイトルにひるまずに、手にとってみましょう

 

ヒトの脳の年代記

脳科学的にヒトの脳が年齢によってどのように変化していくのか、本書の説明には大変意外な発見がありました。

  • 生まれて最初の28年間:著しい「入力装置」
    (15歳から28歳まで:単純記憶力のピーク)
  • 28歳からの28年間:脳の個性を作り上げていく期間
    (30代は「失敗」適齢期、洗練のための28年間)
  • 56歳からの28年間:脳が最大の出力性能を示す
    ⇒脳は体験をセンスに変えて生きていく電気回路

P.53~ 黒川伊保子著『英雄の書』

 

最後の56歳からの部分が、かなり予想外!!

 

ヒトの脳の完成期は、意外に遅くやってくる。50代半ば以降に、どんな脳に仕上がっているかが本当の勝負なのであって、20代や30代でライバルの後塵に甘んじていることなんて、ぜんぜん問題ない。

P.57 黒川伊保子著『英雄の書』

 

出遅れている人もまだまだいける!

 

むしろ50代中盤からが本番!

 

延伸していく寿命・健康寿命を考えても、世間の常識を破壊するこの脳科学的知見はみなさん頭に入れておいた方がよさそうです。

 

自分自身に対しても他者に対しても、単なる先入見で判断してしまっていないか?

実態のない世間の常識を盾に安住しているうちに、それと知らずに大きな間違いを犯すことがあるのかも?

 

虚心坦懐というのは、いつの時代であれ誰にとっても非常に難しいことでしょうが、分厚い常識のヴェールの向こう側への意識を持ち続けることができたら、と思いますね。

 

もちろん常日頃からインプット(入力)を蓄積し脳を仕上げていく鍛錬、そういった過程があってこそのアウトプット(出力)なのだと思いますが、年輪を重ねることによりポジティブになれる脳科学的事実だと言えるのではないでしょうか。

 

右脳と左脳を連携させよ

本書が描く「英雄」は、自立・自律していて我が道を行くスタンドアローンな人間像です。 

 

 なお、そう好きでもないのに、テキトーなところで手を打っていると、「好きでたまらないもの」を探すセンサーが鈍ってしまう。
 寂しいからと言って、テキトーな友達や恋人を見繕っちゃダメ。面倒くさいからと言って、テキトーに買い食いしてすましていると、いつまでたっても「好きでたまらないもの」は見つからない。
 人生を、なめちゃいけない。こういう日常のささいなことで脳は作られ、その同じ脳で、大きな勝負に耐えなければならないのだからね。

 他人の思惑に流されちゃいけない。自分を見つけなさい。

P.90 黒川伊保子著『英雄の書』

 

そして、自分を見つける方法が具体的に提示されています。

 

そのためには、孤高の時間を持ち、右左脳連携エクササイズの趣味を持ち、徹底した他人思いになり、好きでたまらないものを見つける。

P.90 黒川伊保子著『英雄の書』

 

「右左脳連携エクササイズ」というのは、

ダンス、スポーツ、芸術(書道や茶道)、テニス、ゴルフ、ビリヤード、バイクや自転車競技、チェスや囲碁将棋、音楽・楽器演奏、アート、料理、庭造り、畑仕事、他人思い

なんだそうです。

 

エクササイズの中に、「他人思い」があるっていうのが面白いですねー。さすがは「英雄」です。

 

私にとっては書道、自転車、音楽・楽器、料理あたりは身近ですが…、もっと突きつめて取り組めば連携を実感できるのかなあ…?

 

本書には効果的な脳の使い方について脳科学的Tipsが多数掲載されていますが、ここでは上記「右左脳連携エクササイズ」だけ取りあげておきます。

 

自尊心こそ英雄の道しるべである

孤高の道を歩む「英雄」に必要なものは、やはり自尊心。

 

 自尊心は、ゆるがない自我を自覚する感覚だ。自分がここにいて、これをすることに深い意味があると感じる気持ち。生きる方向性を決める大事なセンスである。
 自尊心がなければ、人は、ことを成しえない。

P.94 黒川伊保子著『英雄の書』

 

自尊心や自己肯定感というのは、成長過程でいつのまにか損なわれてしまったり、悪いことにそれに気づいていない場合がありますよね。

 

私自身、自分が健全な自尊心を持ち合わせているのかどうか不明です。笑 ちんけなプライドとは別モノでしょうから…。

 

そして、独立独歩で在り続けなければならないわけです。

 

 自尊心とは、その脳が生きるべき方向を指し示す、砂漠の北極星のようなものだ。他の星を目指したら、道に迷ってしまう。他人の星は、他人の星。自分の星を見つけなければ。

P.97 黒川伊保子著『英雄の書』

 

逆境を歩む英雄たちへのエール

最後に、本書の中で私が一番キテルと感じた、とっておきの一節を引用したいと思います。

 

 逆境が長く続く人ほど、神様に愛されているんだなぁと感じずにはいられない。
 好奇心と逆境が作りだす脳の感性地図は、それこそ最高。歴史をも変えるからね。

P.148 黒川伊保子著『英雄の書』

 

はい! どうでしょうか、この漲る感じ!

 

ひとつ世代で区切って考えてみても、それぞれに色々言われます。氷河期、ゆとり世代、X,Y,Z...。さらに、各人各様にさまざまなハードルが立ちふさがってきます。

 

しかし、それすらも脳というやつが素敵に成長するための磨き粉でしかない、という客観的・科学的(?)事実!

 

世間やメディアやSNSに振り回されたり、襲いかかる逆境に潰され倒れていく前に、スタンドアローンな内なる英雄への道を自覚して、そちらへと舵を切りたいものですね!

 

いつだって、命あっての物種です!

 

今回はここまでです。それでは、どうもありがとうございました! 今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

 

行書の教材で憲法を復習!【大人のリベラルアーツ漂流日誌 DAY2】

どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人 / いちサンプル)です。

 

三ヶ月から半年くらいのスパンでリベラルアーツ的なテーマをひとつ選び学んでいく、という計画を進行中です。

 

題して「大人のリベラルアーツ漂流日誌」です。現在は、憲法をテーマにしています。

 

憲法を学ぶ工程表の進捗状況(9月下旬)

9月現在は去年受験した「行政書士試験用の教材を復習する」に取り組んでいます。

行政書士試験用教材 : 復習の順番
  1. 過去問題集(五肢択一式)
  2. 自宅模試(五肢択一式・多肢選択式 : 各3回分)
  3. 過去問題集(多肢選択式)
  4. 1000問ノック(一問一答式の問題集)
  5. 基本問題集(過去問題集と重複)
  6. 過去問題集(五肢択一式・多肢選択式)※2回目
  7. 1000問ノック(一問一答式の問題集)※2回目
  8. テキストの精読

※憲法の条文をプリントアウトしたものを常に参照。
※赤字は終わったタスク。

 

前回から「自宅模試」の分しか進んでいません…。

 

「憲法」の勉強は私にとって第三のテーマくらいの位置付けです。つまり優先順位としては低いので、

ま、いっか!

という感じですねー。少しでも進んだだけ良し!としています。

 

ただ9月中には終わらなさそうなので、案の定という感じですが後ろ倒しになりそうです。。。

 

行政書士試験用模試 復習の結果

行政書士試験用の模試は、『合格革命 法改正と直前予想模試』(2018年度版)を使用しています。去年使用したものです。

 

 

去年の11月以来、久々に解いてみた結果です。

第1回 問題 五肢択一式 3/5
多肢選択式 4/4
第2回 問題 五肢択一式 5/5
多肢選択式 3/4
第3回 問題 五肢択一式 3/5
多肢選択式 4/4

 

今月に入ってから過去問50問を一周していますが、自宅模試の結果は受験当時とほぼ同じくらいの出来でした。意外と記憶に残っていたように思います。

 

憲法は民法などと比べると圧倒的に分量が少ないですし、重箱の隅をつつくような細かい点を問われることはないので、頭に残りやすい科目ではありますね。

 

ちなみに、行政書士試験で使用した過去問はこちらになります。

 

憲法を学ぶ工程表の修正(9月下旬)

さて! 行政書士試験用の教材がひと通り終わったら、予備試験と司法試験の問題をやってみようと思います。もちろん、憲法の短答式のみ!です。

 

行政書士試験の合格レベルで、予備試験・司法試験の問題はどれくらい解けるのか? という実験です。

 

行政書士試験と予備試験・司法試験とでは難易度がかなり違うはずですが、私には行政書士試験以外の蓄積がないので、実際のレベルの違いをつかむには適役なのではないかと考えています。

 

9月から12月の計画を修正

  • 9月~10月 : 行政書士試験用の教材を復習する
    予備試験・司法試験の憲法(短答式)をやってみる!
  • 10月~12月 : 学者本や判例集を読む
  • 12月~ : 問題演習のようなもの

 

もし、憲法に関するおすすめの本がありましたらご教授いただければ嬉しいです!

 

今回は以上です。今後ともよろしくお願いいたします!

今こそ憲法を学んでみる!【大人のリベラルアーツ漂流日誌 DAY1】

どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人 / いちサンプル)です。

 

当ブログ「135ラボ」では実用本位な記事をメインに考えているのですが、ライフログのカテゴリーを新たに設けることにしました。

  

今後三ヶ月から半年くらいのスパンでリベラルアーツ的なテーマをひとつ選び学んでいく計画です。そこでの個人的な日誌、プロセスの記録を当ブログに書いていきます。

 

題して「大人のリベラルアーツ漂流日誌」です。

 

仕事に直結するメインテーマと最も興味を持っているライフワーク的なテーマが別にあるので、あくまでサブテーマ(優先順位は三番目)なのでズッコケる、途中で休止する可能性は大いにあります...。

 

第一歩のテーマは憲法を選択!

第一歩のテーマは憲法です!

 

ニュースなどで憲法改正という文言を目にする昨今、まさに「今でしょ!」というテーマではないでしょうか。

 

去年(2018年)、憲法が試験範囲に含まれる行政書士試験を受けて合格しているのですが、受験の時点で全然足りていなかったうえに、すでに忘れかけているので改めてじっくりと取り組み血肉化していきたいと考えています。

 

憲法をテーマに選んだ理由
  • なんといっても国家の基本法なので、万人にとって深い理解が必要だと思われる
  • 憲法改正という課題に直面している
  • 憲法の勉強には、去年の行政書士試験用教材が心置きなく使える

私は私法より公法のほうが興味がわきます。経済学も同様で、ミクロはつまらなくてマクロは面白いです。人それぞれタイプがあるんでしょうね。

 

憲法を学ぶ工程表(あくまで予定)

とりあえず9月から12月の四ヵ月分の計画を立てました。

 

9月 : 行政書士試験用の教材を復習する

まずは去年使った行政書士試験のテキストや問題集を復習していくことから始めます。 受験時に反復が足りていなかった過去問からスタート!

復習の順番
  1. 過去問題集(五肢択一式)
  2. 自宅模試(五肢択一式・多肢選択式 : 各3回分)
  3. 過去問題集(多肢選択式)
  4. 1000問ノック(一問一答式の問題集)
  5. 基本問題集(過去問題集と重複)
  6. 過去問題集(五肢択一式・多肢選択式)※2回目
  7. 1000問ノック(一問一答式の問題集)※2回目
  8. テキストの精読

※憲法の条文をプリントアウトしたものを常に参照。

※赤線は終わったタスク。

 

10月~11月 : 学者本や判例集を読む

ざっくりと復習が終わったら、いくつか専門書を読みたいと思います。

候補の本
  • 芦部信喜・高橋和之『憲法』
  • 芦部信喜『憲法判例を読む』
  • 『憲法判例50!』
  • 『判例から学ぶ憲法・行政法』
  • 『憲法学読本』
  • 『憲法判例からみる日本』

など

 

12月 : 問題演習のようなもの(未定)

進捗状況によって変わってくると思いますが、下記のようなタスクをぼんやりと計画しています。

スーパー過去問 or クイックマスター

(テキストを読むより、問題を解いた方が手っ取り早く大枠が頭に入るから)

 

シケタイ憲法 or 逐条テキスト

(法律系資格の受験予定は全くないが、網羅的に学ぶには良さそう)

 

どちらか or どっちも

 

ひと通りの予定を消化できたら、憲法についての新書なども読みたいと思っています。

どなたか憲法に関するおすすめの本がありましたらご教授いただければ嬉しいです!

 

今回は以上です。今後ともよろしくお願いいたします!

 

このライフログのカテゴリーには、書きやすそうなテーマでブログ運営に慣れていきたいという裏テーマがあります...。つい大上段にかまえてしまって更新頻度が低いので!

【目次とまとめ】独学で行政書士!体験的勉強ガイド(合格体験記)

当ブログでは平成30年度(2018年)行政書士試験の合格体験記を書いています。行政書士試験(平成30年11月11日実施、平成31年1月30日発表)には、約半年間の独学で一発合格しました。

 

こちらは当ブログのメインカテゴリーのひとつである、「独学で行政書士!体験的勉強ガイド(合格体験記)」目次とまとめのページです。

 

記事の数が増えてごちゃごちゃしているので、目次をつくりました。ご活用いただければ幸いです。

 

 

【カテゴリーの目次】独学で行政書士!体験的勉強ガイド

 

試験当日の心得について

行政書士試験の心得 試験当日に気をつけたいことあれこれ

 

行政書士試験の結果について

平成30年度(2018年)行政書士試験 | 試験結果のご報告

平成30年度(2018年)行政書士試験 | 試験結果の内訳を公開

 

全般的な合格体験記

行政書士試験に独学半年で一発合格した、意識低い系の合格体験記(ざっくり編)

独学で行政書士 | 8月に間違った勉強法に気づいてリカバリーした話

 

行政書士試験について

行政書士試験のススメ ~ 試験の難易度と費用対効果とは?

行政書士試験の合理的な得点計画 |「商法は捨てていい」は本当?

試験データから判明!行政書士試験にすんなり合格する究極の原則!

行政書士試験の合格後に知った、試験会場と合格証の意外な関係

 

教材全般について

独学半年で行政書士試験に一発合格した教材9点を総ざらい!【前編】

独学半年で行政書士試験に一発合格した教材9点を総ざらい!【中編】

独学半年で行政書士試験に一発合格した教材9点を総ざらい!【後編】

 

テキストについて

行政書士試験に独学で一発合格できる『テキスト』の選び方

行政書士に合格するために「基本書・学者本は必要か?」問題を斬る!

行政書士に独学半年で一発合格する『基本テキスト』の勉強法

 

問題集について

行政書士の過去問選び | 肢別か分野別か年度別か、それが問題だ!

行政書士に独学半年で一発合格する『問題集』の使いこなし方

行政書士試験に「過去問だけで合格できるのか?」問題に対する一見解

行政書士に独学半年で一発合格した私が『千問ノック』を薦める理由

行政書士試験『クイックマスター』の使い方 | 行政法を強化する!

 

副教材について

行政書士に独学半年で一発合格した私が『千問ノック』を薦める理由

行政書士試験『クイックマスター』の使い方 | 行政法を強化する!

 

記述式問題について

行政書士試験の記述式問題の対策とは?過去問から実際の採点を分析!

行政書士 記述式問題で点を取る方法 | 効果があった勉強法とは?

 

模試について

行政書士試験 模試の合否判定は妥当なのか?| 模試と試験の相関関係

 

『六法』について

行政書士試験に独学で合格するために『六法 』は必要か?

 

『判例集』について

行政書士試験に独学で合格するために『判例集』は必要か?

 

「一般知識等」について

行政書士試験の鬼門?「一般知識等」対策はどうするのか問題

 

【まとめ】独学で行政書士!体験的勉強ガイド

とりとめなく書き連ねてまいりましたが、読み返してみると結局はひとつのことしか書いていないんですよね。私が自分の体験からお伝えしたいことはひとつだけです。

 

行政書士試験は、基本に徹することのみで合格できる!

 

完璧じゃなくても、欲張らなくても、当たり前のことを当たり前にやれば当たり前に合格する試験だと思います。

 

このシンプルな実感をシェアしたいと考えて、あれやこれやと色々な角度から書いた記事をアップしてきました。

 

Key Point
  • 行政書士試験を受験するなら、問答無用で合格することこそ最大の目的
  • 合格するためには合目的的な試験対策をする
  • 最も効率的な試験対策は、行政書士試験用の教材に取り組むこと
  • 行政書士試験用教材の内容(=基本)を身につければ、合格レベルに確実に到達する
  • 質・量ともに試験レベルに合わない教材を選んでしまうと、基本がおろそかになってしまい、かえって合格レベルに達しない可能性がある
  • 行政書士試験用の教材であれば、本末転倒のオーバーワークに陥ることはない
  • 一般的に効率的な勉強法は、(テキストを一読した後)問題集をひたすら反復すること
  • 問題集を十分にくり返した後、テキストを熟読して知識のスキマを埋めていく

 

ひとつの私見、いちサンプルとして参考になれば幸いです!

 

どうもありがとうございました! 今後ともよろしくお願いいたします!

行政書士試験 模試の合否判定は妥当なのか?| 模試と試験の相関関係

どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人 / いちサンプル)です。

 

当ブログでは、平成30年度(2018年)行政書士試験の合格体験記を書いています。行政書士試験(平成30年11月11日実施、平成31年1月30日発表)には、約半年間の独学で一発合格しました。

 

試験勉強期間中に、ほとんどの受験生が模試に挑戦するのではないかと思います。模試の合否判定がどこまで妥当なのか試験結果とどの程度一致するのか、みなさん大いに気になるところですよね。

 

今回は市販模試と試験の相関関係について、いちサンプルを提供したいと思います。

  

 

試験前に模試を最低1回以上やっておくこと

試験前に模試で本番さながらの予行練習をやっておくタスクは、他を置いても外すことはできません。

 

行政書士の試験時間は、ぶっ続けで三時間半です。法律系の資格試験のなかでは短いと言えるでしょうが、慣れていなければ相当の長丁場です。事前にその長さを知っておく必要があります。

 

時間を計って緊張感を味わいながら、自分の集中力の持続や疲労の度合い、時間配分や攻略手順などを実際に体験しておくことは非常に大切です。やるとやらないのとでは、合否さえも左右するのではないかと思います。

 

最低1回以上は、模試をやっておくことを強くオススメします。

 

合格革命シリーズの模試にトライ 

模試にはいくつか種類があります。

  • 予備校が開催する模試を会場で受ける
  • 予備校の模試を自宅で受ける
  • 市販の書籍を利用する

予備校の模試を会場で受けるのが、最も本番に近い雰囲気になりますね。

 

私の場合は、試験勉強がなかなか進まずに当初の予定から大幅に遅れていたため、模試は市販の書籍一冊だけしか出来ませんでした。『合格革命 法改正と直前予想模試』のみです。

 

 

私はテキストや問題集など「合格革命」シリーズを愛用していたので、その流れで市販模試も同シリーズを選択しました。一冊に3回分の模試が収録されています。

 

模試は出来るだけたくさん受けたほうがいいみたいですよー(テスト効果)

「テスト効果」については読書レビューがありますので、ご参照いただければと思います。

『実験心理学が見つけた超効率的勉強法』| 大人の勉強術 - いちサンGOラボ

 

第1回模試の成績 : 174点(記述式のぞく)

私が模試に取りかかったのは、試験直前の最後の週でした!

9月以降は焦燥感でモチベーションが下降する悪循環に陥ってたので、なかなか模試にまで手をつけられない状態でした…。

 

第1回模試をやったのは、11月5日(月曜日)でした。

 

第1回模試 いちサンプルの試験結果(正解数と得点)
法令等 択一式 5肢択一式 30問 /40問 120点 / 160点
多肢選択式 11問 /12問 22点 / 24点
記述式 ─ 点 / 60点
小計(法令等合計) 142点(記述式のぞく)/ 244点
一般知識等 択一式 5肢択一式 8問/14問 32点 / 56点
合計 174点(記述式のぞく)/ 300点

 

記述式は自己採点なので合計から除いています。 

 

ちなみに、記述式は自己採点で30点くらいでした。どんなに厳しく採点しても0点ではないだろうという感触でした。

 

5肢択一式の法律問題(40問出題、160点の配点)の正解数は、以下の通りです。

第1回模試 択一式法律問題(5肢択一式)正解数内訳
基礎法学 1/2
憲法 2/5
行政法 17/19
民法 6/9
商法 4/5

 

自分でテキトーに採点した記述式の点数を加えると(どんなに低く見積もっても6点以上は取れているはず!)、一応合格ラインには達していました。

 

第2回模試の成績 : 164点(記述式のぞく)

第2回模試をやったのは、試験直前の11月7日でした。

 

第2回模試 いちサンプルの試験結果(正解数と得点)
法令等 択一式 5肢択一式 27問 / 40問 108点 / 160点
多肢選択式 8問 / 12問 16点 / 24点
記述式 ─ 点 / 60点
小計(法令等合計) 124点(記述式のぞく)/ 244点
一般知識等 択一式 5肢択一式 10問/14問 40点 /  56点
合計 164点(記述式のぞく)/ 300点

 

記述式は自己採点のため合計から除いています。 

 

記述式の自己採点は40点(20点・0点・20点)でした。

 

5肢択一式の法律問題(40問出題、160点の配点)の正解数は、以下の通りです。

第2回模試 択一式法律問題(5肢択一式)正解数内訳
基礎法学 1/2
憲法 4/5
行政法 14/19
民法 5/9
商法 3/5

 

第1回模試に比べて厳しい結果になってしまいました。記述式の自己採点はあまり当てになりませんが、その点を加えればなんとか合格ラインに届きました。

 

第3回模試の成績 : 186点(記述式のぞく)

私が第3回模試をやったのは、試験直前の11月9日でした。

 

第3回模試 いちサンプルの試験結果(正解数と得点)
法令等 択一式 5肢択一式 32問 / 40問 128点 / 160点
多肢選択式 11問 / 12問 22点 / 24点
記述式 ─ 点 / 60点
小計(法令等合計) 150点(記述式のぞく)/ 244点
一般知識等 択一式 5肢択一式 9問/14問 36点 / 56点
合計 186点(記述式のぞく)/ 300点

 

記述式は自己採点のため合計から除いています。 

 

記述式の自己採点は30点(10点以上?・0点・20点)という感触でした。

 

5肢択一式の法律問題(40問出題、160点の配点)の正解数は、以下の通りです。

第3回模試 択一式法律問題(5肢択一式)正解数内訳
基礎法学 1/2
憲法 4/5
行政法 16/19
民法 8/9
商法 3/5

 

記述式を除いた点数で合格ラインを突破できました。

 

やっとのことで模試を計3回こなしましたが、答え合わせをして解説を一読しただけで、復習は一切できませんでした。

 

模試3回ともなんとか合格レベルだったので、試験を受けに行くかどうかも迷っていたくらいでしたが、運が良ければ受かるかもしれない! という気持ちにはなりました。

 

残りのラストスパートをがんばる!というよりは、後は運にまかせよう!という気分のほうが強くなってしまいましたねー。全体的に思い通りに予定を消化できなかったこともあり、しんどかったんだと思います。

 

試験本番の成績 : 194点(記述式のぞく)

既に過去のエントリーで公表していますが、試験結果はこちらになります。 

 

平成30年度 いちサンプルの試験結果(正解数と得点)
法令等 択一式 5肢択一式 33問 / 40問 132点 / 160点
多肢選択式 11問 / 12問 22点 / 24点
記述式 48点 / 60点
小計(法令等合計) 202点 / 244点
一般知識等 択一式 5肢択一式 10問 / 14問 40点 / 56点  ※
合計 242点

※平成30年度(2018年)行政書士試験「一般知識等・問題56」は"正答なし"。受験者全員に4点を配点。

 

5肢択一式の法律問題(40問出題、160点の配点)の正解数は、以下の通りです。

平成30年度 択一式法律問題(5肢択一式)正解数内訳
基礎法学 2/2
憲法 5/5
行政法 17/19
民法 6/9
商法 3/5

 

模試と試験の相関関係 ⇒ 結構あるらしい

3回分の模試と試験結果についてまとめてみます。

第1回 問題 174点(記述式除く) 記述式 30点くらい(自己採点)
第2回 問題 164点(記述式除く) 記述式 40点くらい(自己採点)
第3回 問題 186点(記述式除く) 記述式 30点くらい(自己採点)
試験本番 194点(記述式除く) 記述式 48点

 

私がやったのは市販模試1冊分だけですが、ある程度は点数に相関関係があるようですね。

 

5肢択一式法律問題の内訳を比較してみると、一層分かりやすいと思います。

択一式法律問題(5肢択一式)  試験での正解数 模試3回分の平均正解数
基礎法学(2問) 2 1
憲法(5問) 5 約3.3
行政法(19問) 17 約15.6
民法(9問) 6 約6.3
商法(5問) 3 約3.3

 

さすが予備校の模試はかなり研究して作られているようで、問題の難易度はかなり一致している、低く見積もっても決して大外しはしていないみたいです。

 

今回のデータからは、

模試の合否判定は結構参考になる

といえそうですね。

 

もちろん100%完全で正確無比ということではないでしょうけど、自分の実力や合格可能性をはかる目安にしてもよさそうです。

 

今回はここまでです。ひとつの私見として、いちサンプルとしてみなさんの参考になれば幸いです! 行政書士試験についてのエントリーはあと1回or2回くらい続く予定です。

 

行政書士試験に関する記事の目次はコチラ

【目次とまとめ】独学で行政書士!体験的勉強ガイド(合格体験記)

 

それでは、どうもありがとうございました! 今後ともよろしくお願いいたします!

 

中古パソコンのススメ Win10快適PCを格安でゲットする方法

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rawpixelによるPixabayからの画像


どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人 / いちサンプル)です。

 

去年(2018年)の年末に、中古のノートパソコンを初めて購入しました。

 

精密機器であるパソコンを中古で買うのは非常に迷いました! 失敗覚悟で恐るおそる購入し、使い始めて現在は8ヶ月以上が経過しています。

 

そこで、特にPC系に強いわけではない一般的なユーザーの立場から

中古パソコンの実力、使用感、おすすめ具合など

をレビューしていきたいと思います!

 

中古パソコンは、リユースパソコンリフレッシュPCハイブリッドPCなどと謳われることもありますよね。特に違いはないのでしょう、多分…。

 

この記事をオススメしたい方
  • 中古パソコンの購入を検討している人
  • 中古パソコンに興味を持っているが、不安を感じている人
  • 突然パソコンが必要になって、とりあえず急場をしのぎたい人
  • パソコンは消耗品なので、とにかく予算を抑えたい人
  • PCの用途は、Office系、ネットサーフィン、音楽・動画の視聴がメインの人
  • PCでゲームや動画編集はやらないが、画像編集はやるという人
  • SSDの威力を知りたい人
  • Windows10 pro 64bit が快適に動くメモリ容量を知りたい人

 

大見出しの1から2までは前フリのようなもので、本編は大見出しの3以降になります。目次のジャンプ機能をご活用ください。

 

 

購入前の検討 : 初めての中古ノートパソコン

2011年購入のパソコンが起動しなくなった!

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Kira HoffmannによるPixabayからの画像

 

2018年12月、あやしい動きをくり返していたdynabook(2011年購入、Windows7)が、ついに動かなくなり急きょ代替PCが必要になりました。

 

使用中に電源が落ち、そのまま立ち上がらない状態に…(もう忘れ気味)

 

8年近くも使用したのでポンコツとしかいいようがない状態でした。夏場はストリーミングの動画配信を見ているだけで何度も落ちるくらい。

 

日常使いに支障があるレベルなのに、無理やりイラレとフォトショを入れていました。もちろんストレスMAX! 

 

新品PCに価格なりの魅力を感じず、中古PCが検討対象に

さて、新しいPCが必要になったものの、日本のPCメーカーの現状がどうもよく分からなかったんですよね。

 

撤退や身売り(?)などのニュースをよく耳にした気がするけれど、メーカー名、ブランド名は残っているみたい。でも、実際の製品の中身はどうなんだろう?

 

安心して買えそうなのは、Panasonic、VAIO、mouse、FRONTIERくらい…?

 

なぜ日系PC一択なのかというと、特に理由があるわけではないんですが一応の安心感を重視というところでしょうか(気のせいだろうとは思っています)。

 

ところが、いろいろサイトなどを見て調べたものの、どうも購買意欲がわきませんでした。

 

予定外の急な出費だから予算はないにしろ、どうしても欲しいものがあれば無理してでも買っちゃうほうだけど、特に惹かれるものがない。

 

だんだん考えるのが面倒になってきました。

もう何でもいいや~

 

しかし、日本のPCメーカーの新品にこだわらなければ、私がチェックすべきことはわずかでした。

  • 動画編集やゲームをするようなヘビーユーザーではないし、PCに強いこだわりはない
  • どうせ数年で買い替えなきゃいけないものなんだから、なるべく安価なものがいい
  • コスパ重視であっても、生活必需品として普通に使えるものであること

 

それなら中古でいいのでは?

ということで、

とにかく安く、それなりに使えそうな中古PC

を初めて本格的に検討してみることにしました。

 

購入前の検討 : 自分に必要なパソコンを整理する

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PexelsによるPixabayからの画像

昔、好きで古着屋さんに通っていた時期もありましたが、私が中古品を買うのは最近では本くらいです。安物買いの銭失いになってしまいそうで、かなり不安はありました。

 

お試し、間に合わせ、とりあえず急場をしのげればいい

もしも使えない代物だったときは、新品を買い直さなければいけない…

 

そういう考えで、なるべくリスクを抑える = 中古パソコンの中でも低価格なものにしようと思いました。価格を第一とした上で、自分にとっての必須条件を整理しました。

 

パソコンの使用目的

私が日常的にPCを利用するのは次のような場面です(仕事のぞく)。

  • 日常的にメールやネットサーフィンに使う
  • ライブ配信を含む動画や音楽の視聴
  • 画像編集(当面はGimp、illustratorやPhotoshopを使う可能性がある)

 

必要 or 欲しいスペック

私にとって優先順位が高い条件は以下のとおりでした。

  • 15.6インチの液晶ノート(使用は自宅のみ)
  • 最低限、DVD-ROMドライブ内蔵
  • 無線LANはもちろん必要
  • USBはなるべくたくさん、最低3つ以上
  • OSはどちらかといえばWindows10
  • できればIntel i5がいい(なんとなく)
  • メモリは増設したい
  • 爆速と噂のSSDを試してみたい

 

私の場合、最優先なのはディスプレイのサイズです。間に合わせのつもりであってもメイン機として使うので、15.6型以上は必須でした。

 

中古は寿命が短そうなので使い慣れているWindows7にするか迷いましたが、どうせなら速そうなWindows10 64bitを試してみようと思いました。

 

注意! USBが少ないと実に不便という実体験

ところで、前PCのdynabookはUSBがなんと2つしかありませんでした!

  • キーボードが壊れたため、外付けキーボードの接続で1つ使用
  • マウスで1つ使用

常にすべてのUSBが埋まっている状態だったため、

  • プリンタをつなぐとき
  • 外付けの機器をつなぐとき
  • ヘッドセットをつなぐとき

いちいちキーボードかマウスを取り外さなければならず、とてつもなく不便でした!

 

USBを増設したり、Bluetoothを使う方法はありますが、USBは2つは少なすぎます! みなさんご注意ください!

 

私が選んだ中古ノートPCはコレ! 富士通LIFEBOOK

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PexelsによるPixabayからの画像

 

中古パソコンといえど、メーカーやスペックをある程度は選ぶことができます。私は使ったことがある富士通か東芝かで迷いました。

 

中古パソコンの本体価格と仕様

東芝はSDカードスロットがあることに惹かれましたが、最優先事項である15.6インチノートの価格面などから富士通にしました。

 

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主な仕様

型番 富士通 LIFEBOOK シリーズ
OS Windows10 / Windows7 選択可能
Windows10 を選択
CPU Intel® Core™ i5
RAM 2GB ⇒ 8GBに増設
HDD/SSD HDD 160GB ⇒ 新品SSD480GB換装
表示装置 15.6インチワイド液晶
ドライブ DVD-ROM 内蔵
無線LAN あり(内蔵または外付け)
インターフェイス USB2.0×4, HDMI
付属ソフト Kingsoft Office (WPS Office)
付属品 ACアダプター

 

私が選んだ中古パソコンのオプションなしの本体価格は、なんと!税込12,900円(2018年12月)でした。

 

ただし、富士通LIFEBOOK 指定といえど、どんな中古品(機種、状態など)が送られてくるのかは事前には分かりません…。

 

それでも正規Windows10搭載でこの価格! 失敗してもあまり痛くないと思える破格の値段!(イヤ、痛いけど) 初めての中古パソコンにはうってつけ!

 

利用したお店はこちらです。

中古パソコンとハイブリッドPCのOA-PLAZA 楽天市場店

私が注文したのは2018年12月上旬ですが、現在(2019年8月下旬)だと下記製品が近いみたいです。CPUが違います。

オプション込の構成だと、こちらのモデルが近いようです。

 

中古パソコンに最適なオプションとは?

初めての中古パソコン購入。ほとんど賭けの気分だったのでなるべく価格を抑えたいと思う一方、ある程度のオプションはやっぱり必要だと判断しました。

 

使用感・操作性を決定づける大きな要素である、メモリとHDDの変更です。 

 

オプション1 : Windows10を選択、メモリを8GBに増設!

事前に、Windows10に必要なメモリ容量を調べてみました。

 

OS 最低限必要なメモリ容量 快適な動作に必要なメモリ容量
Windows10
32bit
2GB
※Windows10 Anniversary Update適用後
2GB以上
※4GBまでしか認識しない
Windows10
64bit
2GB 4GB以上

 

Windows10の場合、メモリ2GBではOSだけで余裕がなくなってしまうようです。私の場合、Adobe系アプリケーションを使う可能性があるので、標準の2GBではあまりにも貧弱すぎます。作業時間と精神衛生に直結するため、メモリ増設をお願いすることにしました。

 

メモリ2GB ⇒ メモリ8Gに増設(+5,000円)

なんせ非力なマシンでillustratorやPhotoshopを動かすことの苦痛をイヤというほど知っていますので…。

 

 

オプション2 : 超速いと評判の新品SSD 480GB に換装!

消耗が気になるHDDが中古だと、さすがに不安です。これだけはオプションで新品を選びたいところ。どうせならHDDに比べ爆速と噂のSSDを試してみたい! と思いました。

 

HDD160GB ⇒ 新品SSD 480GB換装(+9,000円) 

 

この価格差で新品SSD、しかも前PCと同じ容量の480GB! 私の場合、これだけあれば外付けHDDも必要ないくらいです(バックアップは別として)。言うことなしです!

 

 

オプション込み、クーポン使用後の価格

最終的に下記のような明細になりました。

 

品名 金額
オプションなしの本体価格 12,900円
HDD160GB ⇒ 新品SSD 480GB換装 9,000円
メモリ2GB ⇒ メモリ8Gに増設 5,000円
小計 26,900円
クーポン使用 ▼645円
合計 26,255円(税込)

 

送料無料で、「あんしん30日保証」が付きました。

 

スピード発送で到着、中古パソコンを初めて手にする!

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Megan RexazinによるPixabayからの画像

 

12月上旬の夕方に注文、翌日に出荷、翌々日に到着というスピード対応でした。

 

届いた機種は、法人向けPC 2011年モデルだった

上述のとおり基本的にメーカーやスペックは指定して注文できますが、機種等は実物が到着しなければ分かりません。

 

私の元にやってきた中古PCはコチラです!

富士通 LIFEBOOK A561/C(法人向けPC)

LIFEBOOK A561/C 製品詳細 -FMWORLD(法人):富士通

 

前のポンコツ化したDynabookは2011年の1月くらいに購入したものです。届いた中古PCは2011年4月・7月の発表モデルでした。

 

想像していた以上に古い機種…!

 

正直なところ、一抹の不安がよぎりました。

 

実物が届いてから分かった仕様

  • 15.6型HD(1366×768)
  • Intel® Core™ i5 ⇒ i5-2540M 2.6GHz 第二世代 
  • 無線LAN ⇒ 外付け(超小型USB無線LANアダプター付属)

 

無線LANが内蔵か外付けかは、ショップにおまかせで選択不可でした。

 

私のPCは外付けで無線LANアダプターが同梱されていました。セットアップは、アダプターの取扱説明書を見ながらカンタンにできました。

 

これでUSBがひとつふさがってしまいますが、許容範囲です。USB2.0は4つあるので、無線LANとマウスで2つ使用してもまだ2つ残っています! 前と比べたら極楽です。私としては無線LANがつながればOK!

 

同梱されていたもの

  • PC本体
  • ACケーブル(内蔵バッテリー使用可能)
  • 簡単スタートガイド(ショップオリジナル、B5ペラ1枚両面カラー)
  • 問診票(ショップオリジナル、【修理・交換・返金】などの際に使用)
  • WPS Office ライセンスカード(別に説明の紙が1枚)

 

スタートガイド問診票に、お店のユーザーに対するサポート姿勢を感じましたね。簡潔ながらも十分な内容で、売りっぱなしにしないという印象を受けました。

 

ちなみに、まったく当てにしていなかったのでおまけの感覚ですが、内蔵バッテリーは使用可能な状態でした。基本的にACアダプターに接続しているのでほとんど使っていませんが、現状は数時間はもつようです(3時間くらい?)。

 

気になる中古パソコンの外観・見た目はどうか?

想像していたよりも全然キレイでした!

Check Point
  • 全体的に多少の使用感、天板にスリ傷などはあるが、まったく気にならないレベル。
  • 液晶画面にドット落ちや痛みなどは特に見当たらない。
  • キーボードの変色やテカリは特にナシ、文字消えのキーもゼロ。

 

全体的に使い古した前PCよりずっとキレイで良い状態でした!

 

社会人で前任者のPCを引き継いだ経験がある人なら、1000%許容範囲なんじゃないかと思いますねー

 

※写真は後日アップします。

 

Windows10の設定

OSアップデートのオプションを付けていないのでたまたまアタリだったんだろうと思いますが、最新版ですぐに使える状態になっていました。

 

注文してから到着までの間にWindows10について調べていましたが、初めに色々と設定しなければならないことがあるのかと思いましたが、そうでもありませんでした。Windows7との違いをあまり感じていません。

 

 

MS系以外でインストール済みだったソフト

  • WPS Office(Kingsoft)ライセンスカード付属
  • AOMEI OneKey Recovery 1.6.2 [バックアップソフト]
  • VLC media player[DVD視聴]
  • はがき作家 12 free(あてな・うら)[ハガキ作成]
  • ソースネクスト 超ホーダイ(1ヵ月無料お試し)

 

WPS Office はKingsoftということで印象が悪く、アンインストールしました。かつてインストールを促す広告があまりにも多すぎてウンザリしたため…。 

 

AOMEI OneKey Recovery はバックアップソフトとして有名みたいですね。今後利用するかもしれません。

 

Windows10にはDVDプレイヤーが付属していないとのこと。そのためユーザーが迷わないように、DVDが再生できるVLC media player を予めインストールしてあるのではないかと推測します。

 

はがき作家というアプリケーションは初めて知りましたが、多くのユーザーが求める機能をスグに使えるようにという、お店の配慮を感じます。余計なお世話と捉える方もいるかもしれませんが…。

 

超ホーダイはインストーラーがデスクトップにあったように記憶しています(あやふや)。超ホーダイにはセキュリティソフトも入っているので、すぐにインターネットにつなぐことができますね。

 

私は既にセキュリティソフトのライセンスを持っていること、使用予定のないソフトをインストールしたくないことから、超ホーダイは使いませんでした。

 

プリインストールのソフトの選択といい、ユーザーへの思いやりを感じさせてくれるお店だと思いました!

 

中古パソコンを8ヵ月以上使用した感想

予想外のスピード!ストレスゼロの快適PCライフ!

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Luisella Planeta LeoniによるPixabayからの画像

先程あまりに古い機種だったので不安を覚えたと書きましたが、

壊れた前PCと同じ2011年モデルなのに、整備でこれだけ違ってしまうのか!?

と非常に驚いています!

 

Windows10はあっという間に立ち上がります。

 

休止状態からの復帰は、手動の計測では20秒くらい。体感だとほんの数秒と感じます。

 

使い始めたころよりも、最近ちょっと遅くなってきています。

当初の体感はWindowsの起動に10秒、休止状態からの復帰に2秒くらいの感覚でした(未計測、ただの印象)。

 

日常の使用でイラつくことは一切ないです。※後日、計測結果をアップします。

 

Check Point
  • Windowsやアプリケーションの起動が速い!
  • マルチタスク・マルチウィンドウの作業に、ストレスをまったく感じない!
  • Abema TV・ツイキャス・You tube Liveなどのライブ配信がスムーズに視聴できる
  • Gimp(画像編集ソフト)の操作に、もっさり感ゼロ!

 

8ヵ月使ってみて、現在のところ使用感は大変良好です! 速くて快適!

 

前PCを長く使い倒していたためストレスフルな酷い状況だったわけですが、超低価格な中古ノートPCでこんなにも快適な極楽状態になるとは…!!

 

やっぱりメモリ増設と新品SDDが効きまくっていると思います!

 

今は新品PCを10万円近く出して買う気にならないから、とりあえず安価な中古パソコンで妥協しよう、なんとか半年でも使用できれば御の字だ…、などと考えていましたが、いい意味で予想を裏切られました!

 

まだ使用して9ヶ月弱ですが、3年は余裕なんじゃないかという気がしています。

 

自分にしては超ナイス選択で、最高にいい買い物でした!

 

妥協したこと : Officeがないのは、やはり不便

今回の中古PC購入にあたって、妥協したこともあります。

  • Officeはあきらめた! WPSは使う気がしないので、当分はLibre Officeでしのぐ
  • オプションの新品キーボードはあきらめた!(予想外にキレイでラッキーだった)
  • オプションのテンキー付き(外付けではないやつ)はあきらめた!
  • オプションのDVDマルチドライブ、BDドライブはあきらめた!
  • SDカードスロットはあきらめた!(PCカードスロットはある)

 

列挙してみましたが、価格を考えればすべて当たり前のことでしょうねー。

 

中古だからこそ低価格に抑えたくて、後から外付け等で対応できることは優先順位を下げました。

 

ただ、Officeがないのはやはり不便ですね。現状はLibre Office(無料)でWordやExcelの代わりをしていますが、不慣れということもあり直感的に操作できていない状況です。

 

Officeと高い互換性があるようですが、Word文書を開いたときに表組などがちょっとおかしくなったことがありました。Libre Officeに慣れるよりOfficeを入れたほうが得策だろうと現時点では考えています。

 

まとめ:中古パソコンのススメ

今回の記事をまとめたいと思います。

まとめ
  • 特別なこだわりがない人は、中古パソコンはアリ! ぜひ選択肢に加えるべき!
  • 完璧を望まなければ必要十分なスペックのものが低価格で買える!
  • 新品PC同様に、仕様やオプションをある程度は選択できる
  • 2011年モデルでも、Windows10 pro 64bit が快適に動く!
  • 驚きの快適性は、メモリ増設と新品SSDの威力だと予測
  • Windows10 pro 64bit は、8GBでストレスを感じない程度に動く
  • 3年くらいストレスなく使えれば、大満足の良い買い物(経過観察が必要)

 

中古であれば、Windows10が快適に動くパソコンが格安でゲットできます!

 

私のようにストレスを感じても壊れるまで古いパソコンを使ってしまうようなタイプにとっては、新品PCを10万円弱で買って長く使うよりも、中古パソコンを3年くらいでどんどん乗り換えていくほうが、よっぽど合理的で快適なんじゃないかと思いました。

 

1年1万円をPC予算として計上する感覚で、3年くらい気分良く使えたら最高!

 

スマホやタブレットのみ所有していて、PC購入はこれからという方(学生・新社会人etc)にも是非おすすめしたいですねー!

 

とはいえ、すべての製品には経年劣化というものがあります。中古はあくまで中古であり、保証期間が短い等のリスクがあることを十分納得したうえで購入する必要があると思います。その点ご注意いただければと思います。

 

PCに関する今後の課題 

最後に、今後の個人的な課題をメモっておきます。

  • やっぱりOfficeは入れておきたい
  • 外付けHDDでのバックアップ体制を整えたい(急務)
  • 外付けBDが必要かどうか迷い中
  • 前PC(データは救出済み)を自分で復旧してみたい(SSD換装、メモリ増設)
  • 復旧したPCのOfficeを使いたい

やっぱりイメージファイルでバックアップをとっておかないとダメなんだろうなー

 

ひとつの私見として、いちサンプルとしてみなさんの参考になれば幸いです! 何かトラブルが発生したり、買い替えの時期がきたらそれまでの状態など、また追記したいと思います!

 

それでは、どうもありがとうございました! 今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

 

おまけ 中古ノートパソコンのおすすめをピックアップ

私が購入したPCで新品が確実だったのはオプションで付けたSSDのみ。下記のモデルは、SSD・メモリ・DVD-ROMが新品と明記されているので、超グレードアップバージョンですね! USBも3.0と2.0が各2つずつ搭載されています。これイイですね~ ちょっとうらやましいモデルです。

こちらのモデルは、なんとOffice 2016 付属! しかもパワーポイントも入っています! 新品SSD 480GB、メモリは標準で8GB。プレミアム会員価格で2万円を切るって…。ナニソレ? としかいいようがない低価格…。ただし、メーカーを選べず、液晶サイズは14型~15型。ショップおまかせ要素が強いですね。悩ましい。笑

バランスが良さそうなモデル。SDカードスロットがあるのがイイですね。パワーポイント含むOffice 2016 付属!  新品SSD 480GB、メモリは標準で8GB。第三世代 Intel Corei5 にも魅力を感じます!  今選ぶならコレかな~ うらやましくて、若干気落ちしています…。

Office 2016 搭載のレッツノートですら、3万円を切ってしまう中古パソコンの世界…!!

行政書士試験『クイックマスター』の使い方 | 行政法を強化する!

どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人 / いちサンプル)です。

 

当ブログでは、平成30年度(2018年)行政書士試験の合格体験記を書いています。行政書士試験(平成30年11月11日実施、平成31年1月30日発表)には、約半年間の独学で一発合格しました。

 

今回のテーマは、公務員試験用問題集の『新クイックマスター』は、行政書士試験の対策において有用なのか? についてです。いちサンプルとして参考になりますように!

 

 

『新クイックマスター』シリーズは公務員試験の対策本

『公務員試験 過去問 新クイックマスター』(クイマス)は、公務員試験向けの対策本です。*1

 

「過去問題集」と「テキスト(レジュメ)」が一体になったオールインワンの演習対策書で、毎年改訂されています。

 

『新クイックマスター』シリーズは様々な科目が出版されていますが、行政書士試験の法令分野と合致するのは「憲法」「民法Ⅰ」「民法Ⅱ」「行政法」です。

 

オンライン書店のレビューやブログなどを拝見すると、とりわけ『新クイックマスター 行政法』はユーザー評価が高いです。そして、公務員試験用の演習書でありながら、行政書士試験の行政法対策にも活用できるという定評があるようです。

 

私が『新クイックマスター 行政法』を使った理由

私がやったのは『新クイックマスター 行政法』のみです。これから先の記述はすべて『新クイックマスター 行政法』(以下、『クイマス』)のことを指しますので、ご注意ください。

 

私が『クイマス』をやることにした理由を挙げます。

  • 過去問中心の問題演習だけでは、とても不安だったから
  • 圧倒的に時間が不足している状況だったが、比重が大きい行政法だけでも強化したかった
  • レビューのレーティングが非常に高いため、興味を引かれた

行政書士試験では行政法の比重が大きく、4割近くの配点があります(300点中112点)。やはり優先すべきは行政法です。

 

『クイマス』の使い方、メインかサブか?

実際に『クイマス』をどのように使うか? 好みによってメイン教材としてもサブ教材としても使えると思います。

 

「行政法」は『クイマス』一本にしぼって反復しまくる!

 

『クイマス』中心に勉強するという方法で満点か、それに近い高得点を上げることは可能でしょうね。実際そういう方はいらっしゃるようです。

 

効果的な試験勉強法は問題演習を重ねること(テスト効果)*2なので、レジュメ付き問題集である『クイマス』は理想的な教材といえます。つまり『クイマス』だけを徹底反復するという勉強法は、とても理に適っています。

 

 

ただ、私個人の意見としてはこんな感じです。

『クイマス』は副教材として使うのが最適解なのではないか?

 

何故なら、当然のことですが公務員試験と行政書士試験とでは問題の傾向が若干違うためです。

 

『クイマス』には行政書士試験の出題傾向とは明らかに違う問題も収録されています。具体的には、学説に関することなどですね。そういった傾向の違いは、行政書士試験の教材(特に過去問)をある程度やらないかぎり分からないわけです。

 

『クイマス』中心、そこに行政書士試験の過去問を付加する

という選択よりも、

行政書士試験の過去問が中心、そこに『クイマス』を付加する

ほうがより合理的だという気がします。

 

後者のほうが行政書士試験の問題を解く回数が必然的に多くなると思うので、出題傾向に慣れ、試験での勘を養うことができるのではないかと思います。

 

『クイマス』で勉強する利点と注意点とは?

ここで『新クイックマスター 行政法』について、私なりに利点と注意点(メリット・デメリット)をまとめてみたいと思います。

 

『クイマス』をやるメリット : 行政法を徹底強化

私が考える『クイマス』をやるメリットを列挙してみます。

  • 約750ページのボリューム! 過去問以外の問題演習がたくさんできる!
  • 問題の傾向が若干異なるため、違う角度から行政法の理解を深めることができる!
  • 頻出の重要論点がくり返し掲載されているので、自然に復習できる!
  • あわせて「一般知識等・個人情報保護」の対策ができる!

 

750ページ近いボリュームがあるので、同じ論点を問う類似した問題がくり返し出てきます。頻出問題はそのまま覚えるべき重要事項ということになりますが、ページを進めていくだけで自然と反復ができてしまいます。

 

『クイマス』で「一般知識等・個人情報保護」対策ができる

意外にも『クイマス』は行政書士試験の「一般知識等」対策にも使えます!

 

「第5章 情報公開」は「一般知識等」の出題範囲である「個人情報保護」に該当する内容です。「情報公開法」が中心ですが、「行政機関個人情報保護法」の問題も若干収録されています(第7版)。

私が使用した『新クイックマスター 12 行政法 第7版』では、15ページ分の掲載でした(現行は第8版、2019年8月16日現在)。

 

参考までに『2018年版 合格革命 基本テキスト』の「個人情報保護」の目次を転記します。

2018年版 合格革命 基本テキスト 目次(一部)

第6部 一般知識

  第5章 個人情報保護

    第1節 個人情報保護法

    第2節 行政機関個人情報保護法   『クイマス』掲載

    第3節 情報公開法   『クイマス』掲載

 

上記のように『クイマス 第7版』(第8版は未確認)では、「個人情報保護」の2/3を一応カバーしていました。対策がしづらい「一般知識等」のなかで最も範囲をしぼって勉強しやすいのが「情報通信・個人情報保護」なので、試験準備としてとても有用でした。

 

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『クイマス』をやるときの注意点 : 条文学習が別途必要になる

次に、『クイマス』をやる際の注意点を考えてみます。 

  • 行政書士試験とは問題の傾向が若干違う(当たり前といえば当たり前)
  • ボリュームがあるので、心理的負担が大きいかもしれない
  • いろいろな教材にあれこれ手を出してしまうと、すべてが中途半端になってしまう可能性がある
  • 基本的に条文学習はできない

 

条文についてですが、もちろんその内容自体はレジュメに書かれています。また、問題の解説に多少条文が出てきます。しかし、条文学習という観点からは、別に『六法』を引く必要があります。かえって、そういう勉強の仕方こそ王道だといえるでしょう。

 

しかしながら、私は試験対策本でまとめて条文学習ができることを重視しているので、そうではない『クイマス』は自分のやり方からちょっと外れてしまうんですよね。

 

判例の強化には『判例集』よりも『クイマス』がおすすめ

以前のエントリーでも書きましたが、行政書士試験用の対策本で勉強するのが最も合理的で効率的だと私は考えています。

 

もし時間的・精神的な余裕があって、行政書士試験の教材以外で何かやってみたい場合、例えばもっと判例の勉強がしたい場合、『判例集』を読み込むよりも『クイマス』で問題演習をすることをオススメしたいと思いますね。

私はやっていないんですが、「憲法」や「民法」も『新クイックマスター』で問題演習をやるほうがいいだろうと思っています。

 

行政書士試験用に1冊にまとまった『判例集』もありますが、『判例百選』などは科目ごとに分かれているので、憲法・行政法・民法の主要三科目だけでも膨大な量になってしまいます。

 

試験勉強の極意は問題を解くことなので、まるごと問題演習本である『クイックマスター』をやるほうが断然いいというのが私の意見です。

 

重要判例はすべて演習問題に出てくるので、判例についても『クイマス』で十分な試験対策ができます。

 

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その他、法令科目別の学者本等(例えば有斐閣のSシリーズとか)を読むという選択肢もあるかと思いますが、試験勉強の効率性という意味では『クイマス』に軍配が上がるだろうと思います。

 

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とはいえ、結局はそれぞれの好みしだいですよねー 自分が興味を持てる教材で気分よく勉強できることが一番大切です!

 

『クイマス』の効果、合否に対する影響は?

私の場合、『クイマス』に取りかかったのは9月下旬からで、ほとんど反復できませんでした。それまでに『基本テキスト』『基本問題集』『分野別過去問題集』『千問ノック』をある程度やっていたので、『クイマス』で「行政法」の総仕上げをした感じになりますね。

 

『クイマス』の習熟度などについて過去記事でくわしく書いています。

独学半年で行政書士試験に一発合格した教材9点を総ざらい!【中編】 - いちサンGOラボ

 

つくづく反復できなかったのは残念でしたが、『クイマス』をやったことで行政法の理解が深まったことは確実です。同じ論点でも違う角度から出される問題を解いて、別の解説を読むことができるというのは大きな利点でした。『クイマス』でストンと腹落ちしたことが、結構あったように記憶しています。

 

ここで私の行政法の試験結果(2018年)だけ抜き出してみます。

  • 五肢択一式 : 17/19(4点×17問=68点)
  • 多肢選択式 : 8/8(2点×8問=16点)
  • 記述式 : 8点くらい?(これはただの予想です)

ご参考までに、得点の内訳などについて過去記事で公開しています。

平成30年度(2018年)行政書士試験 | 試験結果を公開 - いちサンGOラボ

 

他のエントリーにも書いていますが、私が『クイマス』を一応はひと通りやった感想をまとめておきます(全体を1周、一部は2周)。

  • 反復できなかったけれど、やらないよりはやってよかった
  • 行政法を確実に強化できた
  • (おそらく)『クイマス』で初めて知れたことがあった
  • 合否に直接の影響があったとまでは言えないかも
  • 『クイマス』をやらなくても合格レベルには達すると思われる

『クイマス』が初見だったと思われることについては、下記の記事で書いています。

行政書士試験に独学で合格するために『判例集』は必要か? - いちサンGOラボ

 

まとめ : 『クイマス』をおすすめしたい人

今回の記事のまとめとして、『クイマス』を特におすすめしたい人をお伝えしたいと思います。

  • 過去問だけで合格できるか不安な人
  • 行政法を得点源にしたい人
  • テキストを読むより問題演習で試験勉強をしたい人
  • 総仕上げとして、弱点やモレをチェックしたい人
  • 時間に余裕があって、やる気がみなぎってる人

 

今回はここまでです。ひとつの私見として、いちサンプルとしてみなさんの参考になれば幸いです! 行政書士試験についてのエントリーは、あと2回くらい続く予定です。

 

それでは、どうもありがとうございました! 今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

 

*1:地方上級・国家一般職・国税専門官・財務専門官・労働基準監督官・国家総合職

*2:「テスト効果」は学習法・勉強術の本に頻出。

行政書士 記述式問題で点を取る方法 | 効果があった勉強法とは?

どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人 / いちサンプル)です。

 

平成30年度(2018年)行政書士試験の合格体験記のシリーズです。行政書士試験(平成30年11月11日実施、平成31年1月30日発表)には、約半年間の独学で一回目の受験で合格しました。

 

前回から引き続き、記述式問題をテーマにしたエントリーになります。少々長くなったので、前編と後編に分けています。

 

今回の後編では「行政書士試験の記述式問題で点をとる方法」として、私にとって効果があった勉強法について具体的に書いていきたいと思います。いちサンプルとして参考になりますように!

 

前編では、平成30年度(2018年)記述式問題の答案と採点結果について分析しています。

行政書士 記述式問題の対策を考える | 試験の採点を分析してみた

 

 

記述式問題の対策としてやった教材は3点

前編に書いていますが採点結果(48点/60点)だけみると、記述式問題を苦にしていなかったかのように思われるかもしれません。しかし、決してそうではありません。また、記述式問題に特化した対策をきっちりやっていたわけでもありません。

記述式対策をしっかりやるには、時間が足りませんでした!

 

私が記述式問題の対策としてやった教材下記3点になります。習熟度はバラバラで、ほとんどやっていないものもあります。

 

 

2018年版 出る順行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集 には、平成30年度行政書士試験の記述式で出題された論点がすべて掲載されていました。本書を反復して仕上げていればかなり有利だったと思われます。

 

 

記述式で点をとれた理由は、日頃の基本の積み重ね

前述のとおり、記述式問題に特化した対策はあまりできませんでした。とにかく時間が足りなかったので、結局ちゃんと仕上げたのは『合格革命 基本問題集』だけですね。

 

記述式問題に効いた具体的な勉強法

それでもそれなりの点数がとれた理由を自分なりに考えてみます。

  • テキストをじっくり読む
  • 問題集の解説をじっくり読む
  • 問題集の答え合わせのあと、正誤問題の正の肢をじっくり読み返す
  • 問題集にテキストの内容を書き写す(メモ程度)
  • テキストに問題集の内容を書き写す(メモ程度)
  • 暗記カードをつくる(比較しながら暗記が必要なところ)
  • まとめノートをつくる(基本的に不要、苦手なところのみ)

 

こういった日頃の積み重ねで、なんとかいけました。

当たり前のことばかりで拍子抜けしてしまうかもしれませんが…。

これだけだとなんなので、もうちょっと具体的に書いてみます。

 

一例として、2018年 記述式問題「贈与契約」を詳説してみる

平成30年度(2018年)の記述式問題46「書面によらない贈与」について、私がわりと自信を持って答案を書くことができたのは、端的にいうと『基本問題集』(P.455~456 61 贈与契約 )で勉強していたからです。このページは、6月から11月にかけて5回以上反復しています。

 

さらに『過去問題集』でも「贈与契約」(P.277~279 債権各論 / 契約各論)を勉強しています。 こちらは7月と9月、計2回やっています。

 

画像的にキレイじゃないのですが、実際に『基本問題集』を勉強した跡はこんな感じです。

リサイズがうまくいかなかったので画像のリンクを貼ります。約600KBあるのでご注意ください。

贈与契約のページの画像(はてなフォトライフ)

 

このページに私が書き込んだメモは下記のとおりです。

Point

贈与契約の一種である「書面によらない贈与

⇒ 各当事者は撤回することができる。

⇒ ただし、履行が終わった部分は撤回できない。

 

履行が終わった部分とは?

動産の場合:引渡し

不動産の場合:引渡し または 登記

 

まさに出題されたところですよね。こういったことは日々の勉強の過程で少しずつ身についていく、というか身につくように反復するということなんですよね。

 

もちろん『合格革命 基本問題集』『LEC ウォーク問過去問題集』以外にも、『合格革命 基本テキスト』『合格革命 千問ノック』(さらに副教材として民法は『民法がわかった』、行政法は『新クイックマスター 行政法』)といった、基本を固める教材を反復したことによって、記述式問題にも対応できたのだと思います。

平成30年度の記述式で出題された「問題44 行政事件訴訟の類型」、「問題45 成年後見人の追認」についても同様です。

 

日頃の勉強で常に気をつけていたこと

日頃の試験勉強で私が特に気をつけていたことがあります。習慣というか性分という感じです。

当たり前のことばかりになってしまうのですが…、一応書いておきます。

 

  • 法律用語の定義をしっかり頭に入れ、常に意識すること
  • 比較対照できるところ、混同してしまいそうなところを、常に確認すること

 

具体例を挙げます。

  • 取消し
  • 無効
  • 撤回
  • 解除

この辺りの素人からすると似たような用語、 混ざってしまいそうな用語の定義を、一覧して比べられるようにノートにまとめ、問題を解くときなどに参照したり、連想的に思い出したりするようにしていました。

 

問題に「成年後見人」というキーワードが出てきた場合だったら…、

成年後見人」は「取消権者」なんだ。撤回や解除や無効ではなく、取り消しなんだ。[⇐ 混同してしまいそうな点を、いちいち思い出して確認]

取消し」とは、いったん効力が生じた行為を当初にさかのぼって無効であったものとみなす行為なのか[⇐ そのつどノートを参照し、いちいち定義を確認]

無効」っていうのは、客観的にみて法律行為が法的効果を与えるにふさわしくない場合のことで、無効な法律行為の効果は当初からまったく生じないんだな[⇐ そのつどノートを参照し、いちいち定義を確認]

 

こんな風にしつこく自分に言い聞かせながら勉強していました。こういう日頃の積み重ねが、運の良さと相まって最終的に活きてきたのかなと思います。

 

まとめ:記述式問題の対策と勉強法

最後に今回の記事をまとめてみます。

記述式問題に有効な対策・効果的な勉強法

特別な記述式対策をしなくても、基本の反復に徹した勉強で対応できる場合あり!

 

記述式に特化した問題演習をたくさんできるなら、それに越したことはありません。しかし、予定していた対策が十分にできなかったとしても、完全にあきらめて放り出してしまわない限り、勝機は残されています。

 

ごくごく当たり前の基本的な勉強をとおして、キーワードやポイント(法律用語・法律要件・法律効果など)を頭の中に入れておいたことで、私の場合はなんとか書けました。

 

また、『基本問題集』に収録された記述式問題の過去問を反復し、最低限の訓練(40字で記述する)をしていたことにも意味があったと思います。

『40字記述式問題集』にも多少手をつけていますが、反復(復習・見直し)していないのでやったうちに入らないというか、私にとってはゼロカウントです。

 

平成30年度の記述式は、3問とも基礎力が問われる問題でした。日々の勉強で基本を押さえ、シンプルに解答するということに尽きた感じです。これが毎年通用するのかどうか? それは残念ながら何ともいいようがないですよね…。

3問ともまったく頭に入っていない論点が出る可能性だってあったわけですから、ある程度の運は味方だったと思います。どんな問題が出てきても絶対に書ける! というレベルには達していなかったので。。。

 

このブログでは毎回のようにぐだぐだ、ボロボロだった受験準備期間の状況をさらしているようなものなのですが、たとえ自分が立てた計画どおりに勉強が進まなくても、やり残した教材があったとしても、最後まであきらめないで試験に臨むことが大切なのではないか、そこには可能性が残されている! ということをお伝えできればと考えています。

 

今回はここまでです。ひとつの私見として、いちサンプルとしてみなさんの参考になれば幸いです! 行政書士試験についてのエントリーは、あと数回だけ続く予定です。

 

それでは、どうもありがとうございました! 今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

 

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行政書士 記述式問題の対策を考える | 試験の採点を分析してみた

どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人 / いちサンプル)です。

 

平成30年度(2018年)行政書士試験の合格体験記のシリーズです。行政書士試験(平成30年11月11日実施、平成31年1月30日発表)には、約半年間の独学で一回目の受験で合格しました。

 

これから二回にわたって、記述式問題をテーマにしたエントリーをアップしていきます。行政書士試験の記述式問題に有効な対策を、経験に照らして考えてみたいと思います。

 

今回は前編として、平成30年度(2018年)の記述式問題を素材にし、実際の試験での答案と採点結果を自己分析してみました。いちサンプルとして参考になれば幸いです!

 

後編では、記述式問題で効果的だった勉強法について書いています。

行政書士 記述式問題で点を取る方法 | 効果があった勉強法とは? - いちサンGOラボ

 

 

行政書士試験の記述式問題とは?

まずは「記述式問題」のなんたるか、についてザっとまとめます。

 

「記述式問題」は出題に対して40字程度の記述で解答するという、超簡易バージョンの論述式問題です。

 

マークシート方式(五肢択一式など)ではないので、まったく知らない論点を問われた場合、当てずっぽうで正解を得るのは困難です。ただし、(キーワードに応じて?)部分点はもらえます*1

 

記述式問題の配点:理論上0点でもよいが、稼げれば安心

「記述式問題」の配点を確認してみましょう。

行政書士試験 記述式問題 配点
法令等等
記述式
3問(民法2問、行政法1問) 各20点 合計 60点 全体の20%
⑴「択一式(法令等184点・一般知識等56点)」の合計で120点に満たない場合
⑵「一般知識等」で24点に満たない場合 
⇒  記述式が満点であっても合格点(180点)に達しないため採点してもらえない。

 

「択一式(法令等・一般知識等)」で合計180点以上とれれば、たとえ記述式が0点でも合格できます(ただし、180点のうち「一般知識等」が24点以上であることが必要)。つまり記述式の点数だけで、足切りされることはないということです。

 

理想としては、「記述式」抜きで180点以上とってしまうことですよね。「択一式」で180点に満たない場合、「記述式」の採点結果によって合否がわかれます。

 

予備校が発表する解答例や自己採点でだいたいの目安はつけられますが、合格基準ギリギリのところにかかっている状況だと、受験日(11月中旬)から合格発表の日(1月下旬)まで不安な日々を送ることになってしまいます。

 

「択一式」には足切りがあることから、「記述式」の点数を含まなくても180点以上とれるくらい「択一式」での得点をがっちり固めていくことが合格への条件になりますが、試験本番では何があるか分かりません。

 

「択一式」が思うように伸びなかった事態にそなえて、「記述式」でのもう一押しの得点はやはり欲しいところです。

 

平成30年度 記述式問題と正答例

私が受験したのは平成30年度(2018年11月11日実施)の試験です。問題と正答例は下記リンクで確認することができます。

過去の試験問題 | 行政書士試験研究センター

 

問題文は下記リンクをご参照ください。記述式問題は40ページからです。
平成30年度 行政書士試験問題(PDF)

 

正解は下記リンクをご参照ください。
平成30年度 行政書士試験問題の正解 | 行政書士試験研究センター

 

平成30年度の記述式問題を自己分析してみる

私の記述式の得点は60点中48点でした。ちなみにLECの無料採点サービスでは42点(偏差値70.2, 全体の19位)でした。得点の内訳は公開されていないので不明です。

 

単なる一介の元受験生でしかない素人ですが、私なりに自己分析をやってみます。

 

平成30年度 記述式問題44:行政事件訴訟の類型

行政法の出題は1問です。行政法からは、行政事件訴訟の類型についての問題が出題されました。

平成30年度(2018年)行政書士試験 記述式問題44
問題44の正答例(公式) A県を被告として、不作為の違法確認の訴えと農地転用許可の義務付けの訴えを併合提起する。
問題44の答案(いちサンプル) A県を被告として、申請拒否処分の取消訴訟と申請により求められた許可をする義務付け訴訟をする。

 

問題44は問題文が長かったので、読む気すら起こりませんでした(アホ)。

 

「択一式」である程度の手応えがあり、合否は「一般知識等」次第だろうという見込みだったので後回しにしていました。

最悪、白紙でもいいかな~と思ってました。試験は長丁場なので結構消耗しますよ~

試験終了5分前になんとか気を取り直し、部分点を取りにいくつもりで解き始めました。

 

被告が「A県」であること。これは基本中の基本なので、絶対に書きたいところ。

 

「不作為の違法確認訴訟」と書くべきところを「申請拒否処分の取消訴訟(処分取消訴訟)」にしてしまいました。問題文に「この申請書は受理できません」とあるので、やはりここは「不作為」ですよね~。後の祭りです。

 

Point処分を行うには、その前に申請書を受理することが必要。このケースでは申請書を受理しておらず、何ら処分を行っていない。取り消しを求めるべき処分がそもそも存在しない。

時間に余裕があったらどうだったのか? 「不作為の違法確認訴訟」は行政事件訴訟の類型のなかで存在感がやや薄め。たとえ時間があっても出てこなかったかもしれません。とはいえ基本の基本なので、今にして思えば落としたくないところでした。

 

許可処分を求める「義務付け訴訟(申請型:不作為型)」は、受験生にとって書きやすかったと思います。 

 

「併合提起」という文言が出てこなかったのは痛い! これも基本中の基本ですね。何のために勉強してたの? と自分を責めたくなります。点を取っていくには、まさにこういうところですね。

 

行政法に関しては暗記用カードを作っていて、試験当日の行きの電車の中で見ていました。計7枚、行政事件訴訟の類型についてのカードでした。

ヤマが当たった! というよりは、単純に基本中の基本、最重要事項のひとつであるが所以だと思います。

 

問題44:採点の予想

8点?と予想。「A県」と「義務付け訴訟」のキーワードに、かろうじて部分点が各4点?

 

今振り返ってみると、問題文が長いわりに実際の難易度はさほど高くなかったように思えます。長文にひるまずに、文章を落ち着いて読むことがカギだったのかもしれません。「不作為の違法確認の訴え」が若干難しいかもしれませんが、全体の難易度は普通、もしくはやや容易という印象です(私はダメでしたけどね…)。

 

平成30年度 記述式問題45:成年後見人の追認

民法の出題は2問です。一つめは、民法総則から成年後見人の追認についての問題でした。

平成30年度(2018年)行政書士試験 記述式問題45
問題45の正答例(公式) Cに対し、本件契約を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をし、追認しない旨の確答を得る。
問題45の答案(いちサンプル) Bの成年後見人に対して、本件契約を追認するか取り消すか催告し取消しの確答を得る必要がある。

 

単に「C」と書けばいいのに、回りくどく「Bの成年後見人」と書いてしまう。これは私にとって試験勉強期間中からやりがちなミスでした。

 

間違いではないけれど、問題文の指示通りに書けていないので減点対象だったのかどうか? 不明です。もっと落ち着いて頭を働かせロ! と自分に言いたくなります。

 

催告によって得るべきなのは「追認しないという確答」か、「取消しの確答」か。 各予備校の正答例でも分かれていたように記憶しています。

 

私は条文ベースで書けば絶対に間違いにはならないと思ったので、迷わず「取消しの確答」と書きました。公式の正答例とは違いますが、問題ないと考えています。

 

問題45:採点の予想

20点と予想。「Bの成年後見人」は完ぺきじゃないけど、おまけと解釈。

 

基礎を問う問題だったと思います。「成年後見人」は民法総則、しかも初めのほうに出てくるので、受験生にとって記憶に残りやすい論点ですよね。難易度はやや容易でしょうか。

 

平成30年度 記述式問題46:贈与契約

二つめは、民法債権の贈与契約から書面によらない贈与が出題されました。

平成30年度(2018年)行政書士試験 記述式問題46
問題46の正答例(公式) 書面によらない贈与であるため、履行が終了していないことを理由として契約を撤回できる。
問題46の答案(いちサンプル) 動産について、書面によらない贈与は引渡しが済んでいなければ撤回できるので、その旨主張する。

 

この問題は結構自信がありました。ただスッキリした文章で解答するにはどうすればいいのか少々悩みました。

 

Keyword

書面によらない贈与履行が終わった部分(動産の場合、不動産の場合)、契約の撤回

こういうキーワード(法律要件・法律効果)は覚えるしかないというか、これを覚えることがまさに試験勉強ですね。

 

問題46:採点の予想

20点と予想。

 

この問題も基本的な論点だったという印象です。難易度はやや容易でしょうか。

 

平成30年度の記述式問題は3題ともオーソドックスな問題で、基本的なことを解答するというものでした。率直に運がよかった! と思っています。

 

まとめ:実際の試験答案と採点結果を分析する

最後に今回の記事をまとめておきます。

  • 試験本番では、問題文を落ち着いて注意深く読むこと!
  • 問われているのは、実はごく基本的なことかもしれない。
  • 部分点は確実に存在するので、とにかく何か書いておく!
  • 緊張と疲労に負けないこと!

 

今回はここまでです。次回は後編として、効果があった勉強法などについて具体的に書いていきたいと思います。

 

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ひとつの私見として、いちサンプルとしてみなさんの参考になれば幸いです! 行政書士試験についてのエントリーは、あと少しだけ続く予定です。

 

それでは、どうもありがとうございました! 今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

*1:採点基準が公開されているわけではないので、部分点の付き方等は不明です。

大切なことはひとつだけ! ゲアリー・ケラー著『ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果』【ライフハックな読書】

どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人 / いちサンプル)です。

 

当ブログではライフスタイルの向上、ライフハック全般を意識した読書をひとつのテーマにしています。

 

今回はゲアリー・ケラー著『ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果』をレビューしていきたいと思います!

 

『ワン・シング』の考え方のあらまし

この本に書かれていることは、たったひとつだけ(The One Thing)です。潔いまでにタイトルどおり!

 

選択肢をしぼり、優先順位を定め、最も重要なことをしなければならない。的をしぼらなければならない。「一つのこと」を見つけなければならない。

P.209 ゲアリー・ケラー, ジェイ・パパザン 著 / 門田美鈴 訳『ワン・シング』

 

本書が描くThe One Thingとは「一つのこと」をやる、あるいは「一つのこと」だけをやる大切さです。このことが全編をとおして繰り返し提唱されています。

 

『ワン・シング』を読むべき人とは?

日々あれこれと色々なことに手を出してしまう。自分の能力や時間を楽観的に見積もってしまいがち。当然、思うような成果を挙げられない。あらゆることが中途半端なままズルズルと同時進行していく。いつまでたっても片づかない!

 

そんな状況に思い当たりはありませんか? 私は大アリです! 自覚はしているつもりなのですが、行き当たりばったりの好奇心で寄り道してしまい、それが寄り道であることをすっかり忘れてしまったり、いつのまにか雑事・雑用にばかりかまけてしまったり…。

 

この本はそんなストレスフルな習慣的状況を打破するための心構えを教えてくれます。1冊をとおして同じこと(The One Thing)しか書かれていないと言っていいくらいなのですが、長年の習い性を変えるには噛んで含めるように繰り返し説いてもらったほうがいいのかもしれません(笑)。

 

習慣というものは無意識的なものなので、変更するにはそれなりの時間がかかるようです。

2009年 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの調査

学生たちに一定期間、運動とダイエットに取り組んでもらう


「新しい習慣を身につけるためにはどのくらいの日時を要するか」

⇒平均六六日が必要だった

 

P.64 ゲアリー・ケラー, ジェイ・パパザン 著 / 門田美鈴 訳『ワン・シング』

 

新しい習慣を身につけるには平均して二ヵ月以上もかかってしまうわけですから、決してイージーなことではないですね。三日坊主とはよく言いますが、むしろそれが当然かも!  挫折したって自分に失望する必要はさほどないとも考えられます。予めこういう数値を知って見通しが立てられれば、挫折率が低下するのではないでしょうか? じっくりと腰を据えて取り組む覚悟ができますよね。

 

ここで『ワン・シング』がオススメな人を私なりにまとめてみます。

  • 好奇心が旺盛な人
  • 日々マルチタスクに追われている多忙な人
  • 欲張りな人

 

「一つのこと」の先にあるもの

「一つのこと」だけに取り組むこと、その先には何が待っているのでしょうか?

 

P.20

豊富な知識を持っている人がいたら、それは長い時間をかけて身につけたものだ。多彩なスキルを持っている人がいたら、それは長い時間をかけて培ったものだ。多くのことを達成した人がいたら、長い時間をかけてなしとげたのだ。大きな財産を持っている人がいたら、長い時間をかけて築いたのだ。カギは「時間をかけて」だ。成功は積み重ねによって築かれる。そして一度にするのは一つのことだけだ。

 

P.179

目覚ましい成果は、あなたが目指すところが、今日あなたがすることの延長線上にあるときに生まれる。

ゲアリー・ケラー, ジェイ・パパザン 著 / 門田美鈴 訳『ワン・シング』

 

言われてみれば、なるほど当然のことですよね。

 

ワン・シングと向き合うための具体的方法

本書では「一つのこと」に取り組むための具体的な方法について、いくつかの提案がなされています。個人的に気になったところだけ、ざっとまとめてみます。

 

  • 「一つのこと」を実現させる最善の方法は、定期的に自分とのアポイントをとること。
  • 最も重要なアポイントメントは自分自身とのそれであり、自分とのアポイントを決してすっぽかさない。
  • 「一つのこと」への取り組みを中心にして日々の計画を立てる。
  • 一日のうち早い時間帯にまとまった時間(最低四時間)を割り当てる。
  • 余暇の時間をとること。休息は労働と同じくらい重要。
  • プランを立てるための時間(毎週一時間)を確保して、一年の目標、一ヵ月の目標を見直す。

 

Tips : 意志の力との付き合い方

本書には意志力についての興味深い指摘が書かれています。意外なことに、「意志の力は使われるたびに消費され減っていく、有効利用すべき資源」として把握すべきものだそうです。

頭を使えば使うほど考える力は弱まる。意志の力は、瞬発力はあるが休息が必要な速筋に似ている。途方もなく強力だが耐久力がない。脳は体全体の五〇分の一の重さだが、驚くべきことに、エネルギーとして消費するカロリーは、体全体の五分の一を占める。

P.72 ゲアリー・ケラー, ジェイ・パパザン 著 / 門田美鈴 訳『ワン・シング』

 

これは私たちは普段あまり意識していないことなのではないでしょうか? やる気が出ないのは自分の意志が弱いせいだ、という具合に自分を責めすぎない、気を楽にしたほうがよさそうです!

 

意志は消費されるので使ったら回復が必要であること。したがって休息や気分転換などに充てる時間を初めから予定に組み込んでおくべきであること。そうしたほうが効率的に、しかも気分良く、ものごとが進んでいく可能性が高いということは是非留意しておきたいですね。自分自身に対しても、周囲の人に対しても。

  

『ワン・シング』のまとめ:ひとつに集中することが大事

ひと言レビュー

すべては「一つのこと」に集中して取り組むことから始まる! 千里の道も一歩から!

 

とてもシンプル、それでも言うは易く行うは難しですかね~。

 

最近、重要事項が複数ありすぎで、パンク状態に陥っています。それは結局、優先順位をつけられていないということであり、案の定ものごとがまったく進行しません! 改めなきゃ!  まずはしっかりと自覚することから始めたいと思います。

 

定期的にこういった本などに触れて、気持ちを引き締め直さなければ…。そうでないと、すぐに忘れてしまう!

 

 今回はここまでです。どうもありがとうございました! 今後ともよろしくお願いいたします!

 

本当の眠気 ~ J.D.サリンジャー『エズミに捧ぐ』より【言葉のチカラ】

どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人 / いちサンプル)です。

 

言葉はサプリメントになる、言葉のチカラを糧にしてみよう! という趣旨で、古今東西における珠玉の名言・至言を集めて紹介していきたいと思います。

私は言葉に決定的に救われたことが何度かあるので…

 

今回はJ.D.サリンジャー『エズミに捧ぐ-愛と汚辱のうちに』(『ナイン・ストーリーズ』収録)から、その極めて印象的なエピローグを取り上げます。

 

以下、ある意味ネタバレなので、ご注意ください!

 


ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)

 

「エズミ、本当の眠気を覚える人間はだね、いいか、元のような、あらゆる機___あらゆるキ-ノ-ウがだ、無傷のままの人間に戻る可能性を必ず持っているからね。」


You take a really sleepy man, Esme', and he always stands a chance of again becoming a man with all his fac---with all his f-a-c-u-l-t-i-e-s intact.

 

J.D.サリンジャー 著 /  野崎孝 訳 『エズミに捧ぐ-愛と汚辱のうちに』(『ナイン・ストーリーズ』より)新潮文庫

 

『エズミに捧ぐ』はJ.D.サリンジャーの短編集『ナイン・ストーリーズ』に収録されています。上記の引用はこの物語のまさにエピローグ、最後の一節にあたるものです。

 

私がこの本を読んだのはずいぶん前なので、話の筋道をくわしく思い出すことはできません(頭の中で『ガープの世界』の冒頭と混ざってしまっているような…)。それでも、このエピローグは初めて読んだ時から、一字一句たがわずずっと覚えています。それくらい強く、深い印象を受けました。

 


 

無傷のままの人間に戻る可能性

 

ひとたび人間が傷を負ってしまったら、それをなかったことになんて出来やしない。身体からも心からも、たとえ外見上そう見えなくても、決してなかったことにならない。記憶から完全に消し去ることは出来ないし、かさぶたの痕の小さな変色を元通りに戻すことすら難しい。

 

でも、無傷のままの人間に戻れないことを知っているからこそ、どんな状況からであれ人間は再生していくのだとも思う。人間の可能性、超回復の可能性を夢見ることに何ら罪はないはずだ。

 


 

私は眠りというものに苦労したことはほとんどないのですが、それでも数回程度は眠れぬ夜を過ごしたことがあります。数十年の人生で延べ10日間にも満たないと思いますが、一番ヘビーだったときは3日間で3~4時間くらいしか眠れませんでした。そういう時期があって、当時、確実に身体に変調をきたしてしまったので、当たり前ですけど人間にとって睡眠というものはやはり大事ですよね。

 


 

いつもとは違う時間、異なる状況でふと眠気を覚えたとき、この言葉を思い出してほんのちょっと安心する。「ああ、これはもしかしたら本当の眠気というやつが来たのかもしれない。だから、私はくり返し回復していくんだ…」と。

 

そして、傷つき苦しんでいる人がいるのなら、この言葉を知ってほしいと思う。人間の健康にとって睡眠は大切です、という以上の医学的なエビデンスをこの言葉が背景として持っているわけではないだろう。それでも、今、この瞬間に痛み傷つき苦しんでいる人が、この世界のどこかにいるのだとしたら、この言葉を知ってほしい。そして、信じてほしい。嘘でもいいから、信じてほしい。そうして、ほんの少しでも安らかな気持ちにくつろいで、ひとときのやさしい眠りについてほしい。気休めでもかまわないでしょう、ざわたついた心がほんの一瞬でもやわらぐのなら。

 

 


Chicks@中野ミュージックフェス 『スイミン不足』 オリジナルver

 

 

私たちにはいつだって言葉がある。

けたたましく数字優先のこんな時代だからこそ、言葉のチカラを信じてみたい。呼び起こしてみたい。

響く言葉、癒やす言葉、救う言葉に、あなたがきっと出逢えますように。

そのとき、言葉は人類最高のソリューションになる。

行政書士試験に「過去問だけで合格できるのか?」問題に対する一見解

どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人 / いちサンプル)です。

 

当ブログでは平成30年度行政書士試験の合格体験記を書いています。行政書士試験(平成30年11月11日実施、平成31年1月30日発表)には、約半年間、独学で勉強して一発合格しました。

 

今回は行政書士試験には過去問だけで受かるのかどうか? についてです。いちサンプルとして参考になりますように!

 

  

過去問だけで合格できるのか不安だった

私が試験勉強をしている間、ずーっと気にしていたのは「過去問だけやっていて試験に合格できるのか?」ということです。資格や検定のなかには、過去問の反復だけで確実に合格できるものがあります。私が知っている範囲で例を挙げると、簿記検定2級だったら過去問だけで試験に受かります。

 

はたして行政書士はどうなのか? 受験準備をしていた頃、インターネットで何度も調べてみましたが、行政書士試験における統一的な意見・通説らしきものは存在しないようでした。なので、めちゃめちゃ迷いながら試験勉強を続けていました。

 

とりあえず試験の難易度や傾向を知るために、過去問をやることは絶対に必要かつ重要であることは理解していたので、それはしっかりやるとして、それだけで合格に足りるのかどうか?

 

過去と同じ問題がでるわけないんだから、逆に過去問を外して勉強するほうが正解なんじゃないのか? などと、いろいろな思考が行ったり来たりしました。

 

過去問以外の問題演習をやってみた

私は教材をできるだけ絞ってそれを反復するという方法を非常に重視しているので、なるべく教材を増やしたくありませんでした。しかし、いくら調べても過去問だけで合格レベルに達するのかどうか確信が持てなかったので、不安に駆られ迷ったあげく次の二点を副教材としてやることにしました。

 

 

この二点は行政書士試験用の教材として定評があるようです。これについては、別のエントリーでも詳しく書いていますので、ご覧いただければと思います。

www.135labo.com

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結局、過去問以外の教材は必要なのか?

私は『基本テキスト』『基本問題集(テキスト準拠)』『分野別過去問題集(10年分)』を基本三点セットとしてとらえ、その反復を試験勉強の中心にしていました。『千問ノック』と『クイックマスター 行政法』はそれらを補強していく副教材の位置付けです。とてもオーソドックスなやり方ですよね。

人によっては『クイックマスター』をメインの教材として使う場合もあるようです。

 

基本三点セットに加え、副教材二点に手を出したという経験をふまえて、私なりの感想をまとめてみます。ただし、『クイックマスター』の習熟度は他の教材に比べてかなり低いです。

 

  • 過去問だけで大丈夫とは言い切れないが、基本三点セットだけで受かる可能性は高いと思う
  • 『クイマス』をやらなくても合格できるとは言える(必要不可欠というわけではない)
  • 基本三点セットの反復だけではどうしても不安な場合は、『千問ノック』を薦める
  • 余力があれば、サブ教材として『クイマス』はお薦めできる

 

他のエントリーでも書きましたが、基本三点セット以外の教材(主に『クイマス』)についての率直な感想は、

反復が全然足りなかったけれど、やったほうがいいに決まっているし、やらないよりはやってよかったと思う。理解度が上がったことは確実。しかし、やった場合とやらなかった場合との差がどの程度であったのか、はっきりとしない。合否に直接の影響はなかったような気がする。

こんな感じでしょうか。尚あくまで個人的な印象なので、その点ご承知おき下さい。『クイマス』については、別のエントリーで改めて書きたいと思います。

 

過去問中心の勉強で合格する方法

一方、基本三点セットに関しては、これを反復することが合格への必要にして十分の条件であると言えると思います。当ブログでは、結局このことしか書いていない感じですね(笑)。

 

  1. とりあえずテキストを通読してみる。
  2. テキストを通読したら問題集中心の勉強に切り替える。とにかく問題集を反復する。
  3. 問題集をやるとき、問題文と解説はじっくり読む。必要に応じてテキストを参照する。
  4. 問題集を何度も反復したら、テキストを熟読して知識のスキマを埋めていく。

 

 ごくごくオーソドックスな普通のやり方ですけど、上記のような流れで三点セットにしっかりと取り組めば、行政書士試験には十分対応できると経験的に感じました。

 

今回はここまでです。ひとつの私見として、いちサンプルとしてみなさんの参考になれば幸いです! 行政書士試験についてのエントリーは、あと少しだけ続く予定です。

 

それでは、どうもありがとうございました!今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

独学半年で行政書士試験に一発合格した教材9点を総ざらい!【後編】

どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人 / いちサンプル)です。

 

当ブログでは平成30年度行政書士試験の合格体験記を書いています。約半年間、独学で勉強して一回目の受験で合格しました。

 

この記事では試験勉強で使用した全教材(9点)をまとめて紹介しています。各教材の重要度、習熟度、オススメ度についても一気に総ざらいします。今回はその後編です。

リライトにより長くなってしまいましたので、記事を分けました。

 

前編・中編はこちらです。

www.135labo.com

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行政書士試験の独習に使用した全教材9点(再掲)

行政書士試験の受験にあたって、独学で使用した教材は下記の9点です。私が使用したものは全て2018年度版ですが、リンクは最新版(2019年6月現在)に更新してあります。

 

 

上記はおおむねやった順番です。前編では一発合格への土台となる基本テキスト・基本問題集・過去問題集の必須3点セットを紹介しました。中編では副教材として、過去問以外の問題演習本2点と民法の副読本1点を紹介しました。後編では残りの3点をレビューしていきます。

 

記述式はLECの対策本を用意したが、ほぼ手つかず

記述式対策の問題集として私が購入したのはLECの『出る順行政書士 40字記述式問題集』でした。2018年版では「記述式」の問題が97題(民法64題、行政法33題)、「多肢選択式」の問題が14題(憲法10題、行政法14題)掲載されていました。

 

『40字記述式問題集』の重要度:不明

身も蓋もないんですが正直なところ分からないです。ほとんどやっていない状態で試験を迎えてしまったので…。

 

『40字記述式問題集』の習熟度:☆(0.5点/5点)

なんかもう悲惨な状況です。必要ないと判断してやらなかったわけではありません。時間が足りず、また、焦りが募るばかりでモチベーションが上がらなかったために、しっかりと取り組むことができませんでした。

 

民法 記述式

(64題収録)

9月下旬:問題1~問題3
10月下旬:問題4~問題19

◯ 1問

✕ 15問

△ 3問

行政法 記述式

(33題収録)

11月10日:問題1~問題3 ✕ 3問

憲法 多肢選択式

(10題収録)

11月9日:問題1~問題3

◯ 1問

✕ 2問

行政法 多肢選択式

(14題収録)

11月9日:問題1 ✕ 1問

 

ちなみに試験は11月11日でした…

 

いや~、ヒドイですね。目も当てられないというか。ごく一部しかやっていないうえに、ここまで出来が悪くて反復も見直しもしていない状態となると、ほとんど手をつけていないのと一緒なんですよね。1回で記憶できるような優れた頭脳は持っていないので。むしろ試験直前にメンタルを打ち砕かれただけっていう感じですね~。

 

『40字記述式問題集』のオススメ度:不明

こちらも分かりません。なにしろほとんどやっていないので。

 

この記事を書くにあたって見返したところ、平成30年度行政書士試験の記述式で出題された内容が本書にほとんど全部掲載されていました(まさに今知ったし…)。

  • 民法:試験問題44 ⇒ 問題集 問題9 「追認の要件」
  • 民法:試験問題45 ⇒ 問題集 問題48 「書面によらない贈与」
  • 行政法:試験問題46 ⇒ 問題集 問題27 「義務付け訴訟」

しっかりこの問題集をやっておけば、かなり有利だったものと思われます。

 

私は運が良かったのか、ほとんど対策ができなかったわりには記述式で60点中48点とることができました。記述式の対策についてはまた別のエントリーで書くつもりです。

 

模試は『合格革命シリーズ』の自宅模試のみ

模試は市販の『合格革命 直前予想模試』を選びました。私がやった模試はこの自宅模試のみです。日曜日(11月11日)に試験を控え、その直前の月曜日(11月5日)からようやくやり始めました。無論、計画通りというわけではないですよー。大幅に予定が遅れまくっていてかなり切羽詰まった状態でした…。

 

 

『直前予想模試』の重要度:★★★★★(5点/5点)

これはもうマストアイテムです! 時間を計って試験本番と同じように問題を一気に解いていく、という予行練習は絶対に必要だと思います。試験時間の長さと試験問題の分量に慣れること、また、集中力の持続や時間配分を体感しておくことは、当然のことながら非常に大切なことですね。

 

『直前予想模試』の習熟度:★★(2点/5点)

習熟度というか模試の結果ですけど、下表の通りになります。答え合わせをしてサラッと解説を読むくらいのことはしましたが、見直し(反復)はやっていません。試験直前で時間もありませんでしたが、焦りが募るだけで気力が枯渇している状況でしたね~。

 

第1回 問題 11月5日 174点(記述式除く)
第2回 問題 11月7日 164点(記述式除く)
第3回 問題 11月9日 186点(記述式除く)

 

記述式の問題は予行練習として一応解いていますが、素人が採点のしようがないので点数に含めていません。

 

気持ちはボロボロでしたが模試の結果はまあまあだったので、ちょっと光明が見えてきた感じはありました。ただし、運が良ければ受かるかも~! と思ってしまい、残りの数日間、あるいは数十時間、根を詰めて勉強する気力はさらに低下してしまったんですけれども。

  

『直前予想模試』のオススメ度:♥♥♥♥♥(5/5)

予行練習として年度別の過去問を時間を計って解いてもいいんですが、模試をやる段階では過去問をそれなりに反復しているはずなので、スラスラ解けてしまう可能性が高いと思います。初見の問題で悪戦苦闘したほうが試験本番に近い状況になりますので、市販の模試を入手したほうがいいと思います。もちろん予備校の模試を会場で受けるのもいいでしょうね。自宅模試であれ予備校の模試であれ、とにかく予行練習を1回以上やっておくことを強くオススメします。

 

「一般知識等」の対策として就活本を入手

「一般知識等」の対策は何が正解なのか、確度が高いのか、当時も今もよく分かりません。とりあえず不安に駆られて就活本『時事重要テーマ100』を買ってはみたものの、これまたほとんど読んでいません。

 

 『時事重要テーマ100』の重要度:不明

ほとんど読んでいないので不明ですが、絶対に必要とまでは言えないかと思います。

 

『時事重要テーマ100』の習熟度:☆(0.5点/5点)

全体で10ページくらいしか読んでいないかも。「GDPR(一般データ保護規制)」のところだけはヤマをはっていたので意識して読みました。

 

『時事重要テーマ100』のオススメ度:不明

私にとっては本を買ったという行為自体が一種の気休めにはなったと思います。 

 

「一般知識等」については、下記エントリーに詳しく書いています。

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後編のまとめ:やっぱり基本が大事なのでは

結局まともに仕上げた教材は全9点のうち半分以下ですかね。この学習進度・習熟度でよく受かったもんだな~、と今になってちょっと驚いています。ただ運が良かっただけ? 確かに「一般知識等」については運の要素が大きかったと思います。ただ「法令」に関しては、やっぱり基本が大事なんだということが示されているような気がしています。

 

改めて教材を見返してみると、当時の苦しい状況が思い出されます。試験を受けに行くかどうか迷っていたくらいですからね。それでもとにかく敵前逃亡せずに来年のリベンジのためにも受験だけはしてこい!と鬼軍曹のような気持ちで自分で自分を叱咤して、なんとかかんとか試験会場に身体を引きずっていって、後は野となれ山となれという気持ちで試験を受けた、という感じでしたね。こんなにぐだぐだであっても、決して完璧でなくとも、基本だけは身につけて試験を受けさえすれば合格し得る、ということなんだと思います。う~ん、悪い見本ですかね~? 試験当日、空席が結構あったので、今受験準備でがんばっている皆さんには、計画どおりにいかなくても決して諦めずに試験に臨んでいただきたいと切に思います!

  

後編のまとめ(私見)

試験勉強は基本が大事! 完璧でなくても基本の基本を身につければなんとかなるかもしれない!

焦っても迷っても自信がなくても準備不足でも、とにかく試験会場へ行って試験を受けましょう!

 

今回はここまでです。ひとつの私見として、いちサンプルとしてみなさんの参考になれば幸いです! なんとかかんとか危ない橋を渡り切っただけの反面教師でしかないような気がしてきましたが、行政書士試験についてのエントリーはもう少し続く予定です。

 

それでは、どうもありがとうございました! 今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

 

独学で使用した全教材(前編) | 平成30年度行政書士試験 - いちサンGOラボ

独学で使用した全教材(中編) | 平成30年度行政書士試験 - いちサンGOラボ

「一般知識等」の対策:行政書士試験 - いちサンGOラボ

【大人の勉強術】ズボラさんに朗報!翌日の復習は不要だった!『実験心理学が見つけた超効率的勉強法』【読書レビュー】

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WokandapixによるPixabayからの画像

 

どーも、みなさん! いちみほんじん(一見本人 / いちサンプル)です。

 

大人の勉強術を諸般の書物から学んでいこう!というテーマで記事を更新しています。

 

大人の勉強術と題しましたが、世代(大人、保護者、小学生、中学生、高校生、大学生などすべて)や対象(日々の学習、受験勉強、資格試験、自己啓発などあらゆる領域)を問わず、幅広く役立つ内容を取り上げていきたいと考えています。

 

今回は、竹内龍人著『実験心理学が見つけた 超効率的勉強法』から学びたいと思います! 文章やイラストから主に小中学生向けに書かれた本だと思われるのですが、年齢を問わず大人にも子供にも役立つ学習指南書ですよー

 

 

本書の特長:試験に勝つ効率性を客観性に

さっそく本書の特長を引用してみましょう。

「効率的に試験で高得点をとり目標を達成するための勉強法」

1) 効率のよさを追求したこと。
2) 心理学実験で実証された事柄のみを掲載していること。

竹内龍人『実験心理学が見つけた超効率的勉強法』

 

このように試験で結果を出すことを目的とした具体的な内容になっています。そして、この本に書かれている勉強法にはすべて実験心理学の検証データによる裏付けがあるんですね。一部ではなくて、全部ですよ! 個人の経験や主観的にもとづいた勉強法指南ではなく、客観的な実験によるものなので信頼性が高いといえます。

 

ちなみに、メンタリストDaiGoさんの著書によると効率的な学習法に個人差はほとんどないそうです。 

本当に効く勉強法には、個人差などないのです。

P.29 メンタリストDaiGo『超効率勉強法』

 

 

なるほど、これなら安心して取り組んでいけそうですね。とにかく本書に書かれていることを実践して自ら検証していくことが大事なんだろうと思います。

 

"超効率的勉強法" その1:「分散学習」とは?

本書が明らかにする"超効率的勉強法"のひとつに「分散学習」があります。

 

分散学習と集中学習の違いとは?

さて、「分散学習」とは具体的にどういうことでしょうか? 「分散学習」と対になる学習法として「集中学習」というものがあります。対比してまとめてみると以下のようになります。

 

分散学習 集中学習
学習後、しばらくたってから復習 学習後、すぐに復習
ある適切な時間間隔を空けて復習を行うこと ある学習課題が十分に理解できたすぐあとに、
同じか、あるいはよく似た課題の学習を続けて行うこと

 

本書によると、長期記憶に効果を発揮するのは「分散学習」なんだそうです。一方、「集中学習」は長期記憶に有効ではないという、驚きの実験結果が示されています。

 

この分散学習でテストの成績が向上することを「分散効果」というのだそうです。

 

エビングハウスの忘却曲線はどうなる?

これはどういうことかというと、つまりですね、あの有名ないわゆる忘却曲線に必ずしも従う必要はないということを意味しているわけですよね。一般的に暗記術として理解されているエビングハウスの忘却曲線では、だいたい下記のような間隔で復習すべきとされているのを見かけます。

 

エビングハウスの忘却曲線による復習のモデルケース(一例)

⇒当日、翌日、1週間後、2週間後、1ヶ月後に復習する

 

これ、ちょっと億劫だと思いません? 正確なタイミングで復習しよう計画を立てたり、復習にかかる時間や頻度を考えたらかなりの負担になりますよね。完璧主義者だったりすると尚更キツイ。All or Nothingになりがちな私の場合、もうやる前からお手上げ!

 

しかし、です。 

 

上記のモデルケースを「分散効果」で考えると、当日の復習は分散学習ではなく集中学習になるので不要ということになります! 本書が説く最適な復習のタイミング*1では、なんと翌日の復習も不要と考えていい!

 

これ、ものすごく気が楽になりませんか? ズボラでOK!なんだと科学的にお墨付きをもらったような気分です。取っ掛かりのハードルが下がるとモチベーションが俄然高まりますよね~。

 

このように分散学習は直感やこれまでの常識には反するけれども、最初の学習の直後に復習(集中学習)をしても効果がないので、しばらくたってから復習(分散学習)する! これが超効率的勉強法だそうです!

 

ただし、エビングハウスの忘却曲線については誤解があるようです。興味深い記事がありましたのでご参照ください。

zooming.jp

 

集中学習が適切な場合もある

とはいえ、学習した後にすぐ復習する「集中学習」が効果的な場合もあるとのことです。勉強した内容をよく理解できていない、また、しっかり覚えていないと感じたときは集中学習をすべきだそうです。

 

まとめると下記のようになります。

  • 基本は分散学習。しかし理解度に応じて分散学習と集中学習を使い分ける。
  • 学習した内容をよく理解していない場合は、すぐに復習する集中学習が効果的。
  • 分散学習と集中学習の使い分けは、自分で判断するのが一番正確。

  

この分散学習・分散効果についても、本書には実験内容とその結果が記載されています。客観的なデータで具体的に示されると説得力が増してグッと腹落ちすると思いますので、是非本書を手にとってみてくださいね。

 

  

"超効率的勉強法" その2:「テスト効果」とは?

本書で取り上げられている"超効率的勉強法"のひとつには、「テスト効果」というものがあります。「テスト効果」についての説明を引用してみます。

(略)最近の研究から、テストを受けるだけで学力が上がることがわかってきました。しかもテストを効率的に行うと、全体の勉強時間を減らす一方で高得点を上げることができる、というのです。

P.41 竹内龍人『実験心理学が見つけた超効率的勉強法』

 

試験勉強では過去問の重要性や問題集を中心にすべきだということがよく言われます。これは実験結果からも確認されていることなんですねー。私自身、実践してきたことでもあり、経験上、やはり一定の効果はあったと感じています。試験に合格するための勉強方法としては、テキストを読み込むことよりも問題集を反復することがやはり王道といえるようです。

 

再学習と再テストによる復習方法の実験を紹介

さて、ここで本書で私が特に強い印象を受けた実験を紹介したいと思います。

 

直前のテストで不正解だった単語について、復習方法の違いは成績にどのような影響を与えるのか? というものです。4種類にグループを分けてそれぞれ異なるやり方で復習を行なった実験です。

  • グループ1:全単語の再学習と再テストを行う。
  • グループ2:テストで不正解だった単語のみ再学習、全単語を再テストする。
  • グループ3:全単語の再学習を行い、テストで不正解だった単語のみ再テストする。
  • グループ4:テストで不正解だった単語のみ、再学習と再テストを行う。

 

なお、ここでの再学習と再テストは以下の定義になります。 

  • 再学習:テスト形式を利用しない「読むだけの」復習方法
  • 再テスト:小テストを利用した復習法

 

みなさんは、どのグループが一番よい成果を挙げたと思われますか? それぞれ良し悪しがありそうな印象を受けますが…。

 

ざっくりと結果を記すと以下のようになります。

[成績が良かった順番]

  1. グループ1、グループ2
  2. グループ3
  3. グループ4

[勉強の総時間が少ない順番]

  1. グループ4
  2. グループ2
  3. グループ3
  4. グループ1

 

この実験結果の詳しい数値は本書をご覧になっていただきたいんですけれども、驚きの結果だと思いませんか? つまりグループ2の復習方法が効率的なやり方だったということです。グループ2は最終的な成績がトップでありながら、総勉強時間は2番目に少ない。グループ2と勉強時間が同程度だったグループ3はグループ2の半分の点数しかとれなかった。また、グループ2の勉強時間は、最も多く勉強したグループ1の7割程度だった、ということでした。

 

 つまり、再学習よりも再テストに時間を使った方が、同じ時間を勉強するのであれば得点はずっと高くなるのです。この結果は、教科書や参考書を読むだけではほとんど記憶に残らない、ということを意味します。テストを利用して自分で思い出す努力をする復習方法こそが、効率的かつ効果的な方法なのです。

P.45 竹内龍人『実験心理学が見つけた超効率的勉強法』

 

効率性を考えるとグループ4の復習方法が良いようなイメージがあるのですが、意外にもグループ2のやり方がもっとも効率的に結果を出したわけです。

 

私の勉強のやり方を振り返ると、たまたまなんですがグループ2のようにやってきたことが多かったです。自分の記憶力がしょぼいことを承知している。正解した箇所もそのうちどうせ忘れてしまうと自覚しているし、正解したところを後で間違えるのはくやしいから、問題集を反復するときは全問やり直さないと気がすまない。でも、こういうやり方はとても非効率的な勉強法だという気がしていて、自分の性分に嫌気がさしている。こんな感覚がずっとありました。ところが、ところが、科学的にこの復習方法でOKだったようです。いやあ、良かった! これまで思いっきり自己嫌悪があったので個人的に非常に安心しました。

 

最強の勉強法=分散学習×テスト効果

さあ、ここで最強の勉強法をまとめることにしましょう!

「テスト効果」と「分散学習」の組み合わせが最強の勉強法

P.64 竹内龍人『実験心理学が見つけた超効率的勉強法』

 

具体的には下記のようなやり方になります。 

  • 復習はテスト形式で問題を解く(テスト効果)
  • 復習のための小テストを行う場合は、間隔を空ける(分散学習)
  • 答え合わせは翌日以降でよい(分散学習)
  • 時間間隔を空けて何回も復習する
  • 5回正解すれば、その後何度やっても同じ

 

メンタルの重要性を認識する

この本は「テクニック編」と「メンタル編」に分かれています。今まで取り上げてきた内容は「テクニック編」なのですが、「メンタル編」にも目からウロコがぽろぽろ落ちていくようなことが沢山書かれています。学習効率においてメンタルが成績に与える影響は、私たちが考えている以上に大きいことが分かるんですね。普段あまり意識していないことでなかなか実感がわかないのですが、メンタルがテクニックと同程度の重要性を持っていることをもっとしっかりと認識すべきなんだと思いました。

 

そのことをうかがい知れる一節をひとつだけ引用しておきます。

(略)試験を突破する力と知能指数があまり関係ない、という研究結果は重要です。このことは、効率的に勉強しさえすれば、誰でも成功をつかめることを意味しているのですから。(略)ですから試験勉強に対しては、効率的に取り組むことが一番です。必要なのは、ちょっとの自制心。これが合否を分けるのです。

P.197 竹内龍人『実験心理学が見つけた超効率的勉強法』

 

どうでしょう? モチベーションが上がりますよね! あいにく結果が出ないとき、それは能力のせいではなくただ単に方法が間違っていたから、なのかもしれません。方法を見直したうえで気分よく勉強に取り組むことが出来れば、成績アップにつながる可能性が大いにあります。そして良い結果がモチベーションを高め、さらなる成果を生み出していく…。効率的なテクニックとともに勉強術におけるメンタルの重要性を知っていれば、こういった好循環を意識的に開始することができそうです。理想通りにいくとはかぎりませんが、試す価値はありますね。

 

最後にまとめのひと言レビュー

締めとして一言でまとめたいと思います。

ひと言レビュー

勉強を始める前に勉強術を学ぶことには意味があった。急がば回れ! 超効率的な勉強法は意外にもズボラな人、多忙な人の味方だった! 気を楽にして実践あるのみ! 

 

この読書レビューでは主に「分散学習」と「テスト効果」についてざっくりと紹介しました。この二つを組み合わせた最強の勉強法のほかに、最適な復習のタイミングを教えてくれる「1:5の法則」(これはかなり重要!)、多肢選択問題に対応するための勉強法、数学に特化した勉強方法、思い込みが結果に与える影響などなど、大変興味深く有用な内容が多い本です。

 

私にとってはこれらはすべて小中学生、遅くとも高校生の頃に知りたかった内容でした! 効率的な勉強法として意外なこと、直感に反すること、これまでの常識と異なることが書かれているので、興味を持たれた方は是非本書*2を読んでみてください。

 

今回はここまでです。どうもありがとうございました! 今後ともよろしくお願いいたします!

 

*1:「1:5の法則」。本記事では省略します。

*2:本書には新版があります。『進化する勉強法: 漢字学習から算数、英語、プログラミングまで